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私が調剤薬局で働いていた頃の話です。血圧計を購入した患者さんから、翌日「動かない」と電話がありました。丁寧に説明しても原因が分からず、再び店舗に持ってきてもらうことに。動かなかった理由は思いもよらないことで……。

血圧計を購入した患者さん

ある日、常連の女性患者さんが「血圧計を家でも使いたい」と言い来局されました。店頭にある中でいくつかおすすめの商品を紹介し、使い方を丁寧に説明すると、その場で購入していただけることになったのです。

「電池は付属していないので、別でご購入くださいね」と伝えると、「わかりました」とにこやかに返してくれて、帰って行きました。きちんと動作確認もして、問題なくお渡ししたはずでした。

翌日の電話で、クレーム

ところが翌朝、薬局にその患者さんから電話がありました。「昨日買った血圧計が動かないんです。もしかして、不良品だったんじゃないですか?」と。予想外の言葉に私は少し焦りました。

「電池は入れられましたか?」「机の上で測っていますか?」と順に確認しても、「全部やったけど動かないのよ」との返答。店頭で患者さんと一緒に確認したときは正常だっただけに、頭の中にはハテナが浮かびます。結局、「一度お持ちいただけますか?」とお願いすることにしました。

意外な原因が発覚!

さっそくその日の午後、患者さんが血圧計を持って再び来局されました。試しに電池を取り出して見てみると……なんとプラスとマイナスが逆に差し込まれていたのです。しかも、少し力を入れて無理やり押し込んだ形跡まであって、私は思わず苦笑いしてしまいました。

「こちら、電池の向きが逆になっていたようです」と伝えると、患者さんは「あらまあ! ごめんなさいね。ちゃんと確認したつもりだったのに!」と照れ笑い。その場の空気が一気に和らぎ、周囲のスタッフも思わずくすっと笑ってしまいました。

クレームが思わぬ和み話に

怒り気味の電話から始まった“動かない血圧計”騒動は、意外なオチで笑い話になりました。その患者さんは帰り際、「やっぱりあなたに聞くのがいちばんね」と笑顔で言ってくれて、なんだか心が温かくなりました。

クレーム対応というより、ちょっとした日常のすれ違いが生んだハプニング。今でもあの患者さんの明るい声を思い出すと、少し笑ってしまう出来事です。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2022年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

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