人生で初めて、家族以外で関わる大人の存在の多くは“先生”ではないでしょうか。幼稚園や小学校の先生、習い事の先生。印象的だった先生のことを今でも覚えている方も多いのでは。今回は、スポーツジムで働く友人から聞いた、印象的なインストラクターのお話です。
アヒル柄の先生
私が働いているスポーツジムには、キッズダンスの講師として一際目立つ人物がいます。初めて見たときは、思わず目を見張りました。アヒルのプリントがされたTシャツに、アヒル柄の短パン、そしてアヒルの刺繍が入ったソックス。さらにサングラスとニット帽という、なんとも奇抜なファッションです。
ところが、見た目とは裏腹に教え方はとても丁寧で、ユーモアもたっぷり。子どもたちからも保護者からも絶大な人気を誇っています。私も息子を通わせ始めると、息子もすぐに先生が大好きになりました。
旅先での再会
そんなある日、旅行先のアウトレットモールで、思いがけない出来事がありました。息子が突然「アヒル先生だ!」と叫び、ある男性を指さしたのです。見ると、そこには芸能人のようなイケメンが立っていました。「違うでしょー」と私が言っても、息子は「絶対先生! 靴下見て!」と譲りません。
よく見ると、確かにその男性の足元にはアヒルの刺繍が。息子が「あひる先生〜!」と呼びかけると、彼はまぶしい笑顔で「おー! こんにちは!」と返してくれました。
イケメンゆえの苦労
後日、職場でその話を同僚にすると、驚きの事実が明かされました。実はアヒル先生、以前は普通のスポーツインストラクターとして勤務していたそうです。しかし、あまりにイケメンすぎて「先生目当て」のお客さまが増え、他の利用者に迷惑がかかるほどに。
そこで店長と相談し、サングラスと奇抜な服装で素顔を隠すスタイルに変更したとのこと。あのアヒルコーデには、そんな背景があったのです。
ひそかに応援
その話を聞いて、私は「イケメンも大変なんだなあ」としみじみ感じました。教え方もユーモアも抜群で、しかもイケメンとなれば、人気が出すぎてしまうのも無理はありません。
今では私もすっかりアヒル先生の隠れファンです。彼が素性を知られずに、子どもたちと楽しく過ごせるよう、そっと秘密を守りながら応援しています。
ちなみに初めはしぶしぶだったアヒルコーデも、今では率先してやっているそうです。外見も中身もイケメンなアヒル先生は今日も元気に子供たちを指導しています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

