お客様の禁止事項
私の働く脱毛サロンでは、お客様カルテに「姑話NG」や「不倫系NG」など、会話の注意事項を記入する欄があります。
ある日、カルテを確認すると「怖い話NG」と書かれていました。とても怖がりな方なのかなと思い、内容に気をつけながら、何事もなく施術を終えました。
禁止事項の真相とは
休憩中に「先ほどの方、よっぽど怖がりなんですか?」と聞くと、店長は「違うのよ」と教えてくれました。「あのお客様は霊感が強くてね。怪談をするとBGMが止まったり、物が壊れたり、怪奇現象が起こるの」と。驚きつつも、そんなことがあるのかと半信半疑でした。
施術中に起きた異変
しばらくして再来店されたそのお客様。もちろん怪談話はせずに施術をしていたのですが、突然サロン全体が停電。ブレーカーを確認しにいくと、上がったまま。そして周囲の店舗には電気がついているのです。
ブレーカーをいじっても直らず、しばらくしたら自然に復旧しましたが、ただの不具合とは思えず背筋が冷たくなりました。施術を終え、お詫びをして会計に向かいました。
後輩への不思議な質問
レジにいた後輩を見たお客様が「昨日、どこに行きましたか?」と突然質問。後輩が「友人とドライブへ行きました」と答えると、「よくないところに行かれたのかもしれません、気を付けてください」と言い残し足早に退店されたのです。
後輩に確認すると、なんと昨晩ドライブをしていて、たまたま心霊スポットの近くを通ってしまったとのこと。その日から後輩は体調を崩し、後日ドライブ仲間と一緒にお祓いに行ったそうです。
以来、怪奇現象はぴたりと収まりました。もしあの日お客様が来ていなかったら、後輩たちはどうなっていたのだろうと思うと、今も少し背筋がぞくっとします。
“怖い話をしているとお化けが寄ってくる”というのは、迷信ではなく本当なのかもしれないと思った出来事です。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井 ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

