視線が語る、二人の秘密
ある日の定例会議の最中、ふと周りを見ると上司と部下の二人がやけに目を合わせる姿が。資料に目を落としても、どうしてもその視線が気になってしまいます。小さな仕草や目線の交わし方から漂う、「何かある……?」という気配。
思わず心の中で「いや、考え過ぎかな」とつぶやいていました。
業務に影響、じわりと広がる二人の関係
しかし、二人の関係は次第に職場の日常に影を落とし始めました。
二人が話し込むうちに、契約書類のチェックや顧客対応が遅れ、担当の手順もあいまいに。書類は滞り、電話対応も後手に回るなど、小さな遅れが積み重なり、部署全体の効率をじわじわ削っていきました。
さらに休憩室では、二人が仲睦まじげに「嫁に、今日の夜は仕事で遅くなるって伝えてるから、会えそう」などと話す姿が目撃されるように。
職場の秩序を守るための決断
明らかに日常の流れが乱れていることを肌で感じた店舗の責任者は、ついに処分を下すことに……。
処分の理由は「社内の雰囲気が悪化し、業務に支障が出たため」でした。
その結果、上司は降格、部下は他店舗への異動が決まったのです。「職場の秩序を守ることの大切さ」を改めて実感しました。
波乱の中で見つけた、チームの学び
ふと振り返ると、あの騒動も一つの「教訓」として、チーム全体にひっそりと残っていることに気づきました。
「まさか自分が目撃者になるとは思わなかったけど、良い勉強になったな」と、思わず苦笑い。
小さな混乱はあったけれど、結果としてチームの結束や、業務上の秩序の重要性を再確認する、貴重な出来事になったのです。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:miki.N
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。
				
				
