見下す態度に傷つく日々
私は派遣先の職場で、20代前半の正社員と同じチームで働いていました。しかし、ある社員の態度はあからさまに嫌な感じでした。
挨拶をしても無視されることがあり、返事をしても小さな声で気だるそう。書類を渡すときも机に乱暴に置くなど、「派遣だから下に見ているのか」と思わせる仕草ばかりでした。そんな態度に、私は毎日心がすり減るような気持ちで過ごしていました。
誰も助けてくれない?
周囲の社員も、その若手社員の態度がよくないことはわかっていましたが、直接注意することはなく、私は「誰も助けてくれないのか」と孤独を感じていました。
ただ、振り返ってみれば、会議で私の意見を拾って「いい視点だね」と評価してくれたり、仕事が滞りそうなときにさりげなくフォローしてくれたりと、陰ながら支えてくれる人もいたのです。表立った言動はなかったものの、私の努力を見てくれている人は確かに存在していました。
案件から外された正社員
転機はある日の顧客対応で訪れました。その若手社員が、客先に対して露骨に不機嫌そうな表情を見せてしまい、相手を怒らせるトラブルに。上司はすぐに「これ以上は任せられない」と判断し、彼を重要な案件から外しました。
決定を告げられた会議室で、若手社員は顔を引きつらせ、椅子に落ち着きなく座り直しながら「わかりました……」と小さな声で答えるだけ。視線を泳がせ、明らかに居心地悪そうな様子でした。
評価されたのは日々の姿勢
代わりに指名されたのは、これまで黙々と真面目に取り組んできた私でした。上司から「Hさんなら安心して任せられる」と言われたとき、胸が熱くなりました。周囲の社員も「それは当然だよね」とうなずき、私の努力を認めてくれていることがはっきり伝わってきました。
この出来事から私は「派遣だから不利というわけではない。立場よりも態度や日々の行動を見てくれる人は必ずいる」と実感することができました。肩書きではなく、誠実な姿勢こそが信頼を生むのだと、心が軽くなったのです。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ

