復帰後の妊娠報告
2人目の育休から復帰してしばらくした頃、3人目の妊娠がわかりました。報告する時は少し緊張していましたが、同僚や上司から「おめでとう!」「楽しみだね!」と温かい言葉をかけてもらい、安心感で胸がいっぱいになりました。
空気を変えた“余計なひと言”
ところが、ある年配の男性社員だけは違いました。
「3人目か〜! すごいね〜、がんばったね〜」と、まるで上から目線で評価するような口ぶり。その後も「次からこのポジションは若い女の人には無理だね」「産休入るときはここ、男の人にしないとね」と続けられ、私は笑って受け流しながらも心の中ではイライラとモヤモヤが広がっていきました。
ごまかす男性と頼もしい反論
その場が気まずい雰囲気になったとき、意外にも別の年配社員たちが次々に声をあげてくれました。
「それは違う」「産休は当然の権利」「誰でもサポート体制を作るべきだ」そうした反論が飛び交う中、当の男性社員は急に声が小さくなり、目線を泳がせながら「いや、そんなつもりじゃ……」としどろもどろにごまかすばかり。
その態度を見て、余計に「やっぱり分かっていないんだな」と感じつつも、他の人たちがしっかり否定してくれたことに救われました。
孫の話でほっこり、そして決意
さらに場を和ませるように、別の年配社員たちが「うちの孫も今度2人目なんだよ」「孫ができてから、子育ての大変さがわかるよ」と話し始めて、思わずほっこり。嫌な気持ちは残ったものの、同じ世代の男性でも考え方はさまざまで、温かく支えてくれる人も多いのだと実感できました。
この出来事をきっかけに、「次は自分が後輩の立場を守れる人になろう」と強く思うようになりました。職場で過ごす毎日が以前より少し安心できるものになり、前向きに働き続けたいという気持ちもいっそう強くなったのです。
【体験者:20代・女性(会社員)、回答時期:2023年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務。育休をきっかけに、女性のライフステージと社会生活のバランスに興味関心を持ち、ライター活動を開始。スポーツ、育児、ライフスタイルが得意テーマ。

