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大切な人を失った後でも、「まだそばにいる」と感じることがあります。夢や気配、ふとした出来事を通じて交わされる時間は、ときに日常の中で思いがけない形で現れ、悲しみを和らげてくれるのかもしれません。今回は筆者の妹が体験した、不思議で心に残るエピソードを紹介します。

元気だった祖母との別れ

母方の祖母は90代になっても元気で、毎日の散歩やサークル活動を楽しむような人。若い頃から家庭は祖父に任せて仕事一筋、退職後も活発に過ごしていました。そんな祖母が昨年の年末に亡くなりました。祖母の家の近くに住んでいたのに、「いつでも会えるから」と、なかなか会いに行かなかった私は、後悔の気持ちが強く残ったのです。

枕元に立つ祖母

祖母が亡くなってから間もなく、私の枕元に祖母が立つようになりました。しかも、はっきりと声をかけてくるのです。祖母は話したいことを一通り話し終えると、満足したようにふっと消えていく――そんなことが何度も続きました。とはいえ、私の家系は霊感が強く、私自身も小さい頃から不思議なものを見たり感じたりしていたので、驚きつつも自然に受け止めていました。

お盆の夜の出来事

特にお盆の前後は毎晩のようにやってきて、「あれはどうなった?」「これは大丈夫か?」と、生前の心配事について問いかけてきます。翌朝、私は母に確認し、次の夜に答えると、祖母は嬉しそうに世間話をして消えていくのです。その姿は、まるで元気だった頃の祖母そのもの。母にこの出来事を話すと、「おばあさん、おしゃべり好きだったからね。しばらくひとり暮らしで話し相手も少なかっただろうけど、今は自由にどこにでも行けるんだろうね。だから思う存分おしゃべりしてるんだよ」と笑いました。そして「満足するまで、話し相手になってあげてね」と。

続いていく繋がり

正直、祖母が亡くなったという実感は薄いまま。それは今でも言葉を交わしているからだと思います。人は亡くなっても、その人らしさや習慣は消えないのだと感じました。祖母との会話は、形を変えて今も繋がりを残してくれているのです。別れは寂しいものですが、不思議な出来事を通して「ずっとそばにいる」という安心感をもらえた気がしました。

【体験者:30代・女性パート、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。

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