働きながら子育てをしていると、保育園や幼稚園からの呼び出しでドキッとした経験は一度や二度はあるのではないでしょうか。今回の出来事は、そんな呼び出し電話によって窮地を救われたエピソードのご紹介です。
保育園からの呼び出し
私達夫婦は共働きで、子どもは保育園に通っています。ある日、娘が発熱し、保育園から緊急連絡が入りました。まず、私に電話がかかってきたのですが、当時私は会議中で気づきませんでした。
次に夫へ。しかし夫も応答できず、三番目の緊急連絡先である義母にも繋がりませんでした。
これまで一度も呼び出しを逃したことのない三人が、誰も気づくことができずスルー。そして、ついに四番目の義父へ連絡が入り、お迎えに向かうことに。
お迎えにきた義父
義父が到着した時、娘は事務室の布団で眠っていました。
先生に断りを入れて引き取ろうとしたところ、その場にいた先生が義父を見て、驚いたように声を上げたのです。
「なんだか右側が麻痺しているように見えます! すぐに救急車を!!」
突然の慌ただしい空気の中、義父はそのまま救急搬送されました。
脳梗塞の初期症状
病院で診断されたのは、初期の脳梗塞。
先生がすぐに気づき、救急車を呼んでくれたおかげで、大事に至らずに済みました。
その後、私も保育園からの着信に気づき、娘を無事に引きとって、義父も適切な処置を受けることができました。
義父も今では後遺症も残らず、元気に暮らしています。思い返すたび、あの日いくつも重なった偶然が命を守ってくれたのだと実感します。
“もしもあの時”の連続のおかげで
これまで私も夫も、着信に気づかなかったことは一度もなく、義母も普段は電話を見逃すような人ではありません。なのにあの日だけ、三人とも気づかなかったこと。そして四番目の義父に連絡がいき、その場で病を見つけてもらえたこと。
もし娘が熱を出さなければ、もし着信に誰かが気づいていたら……義父はこの世にいなかったかもしれません。
そう考えると、あの日の出来事はただの偶然ではなく、誰かに導かれた必然のように思えてならならないのです。そして改めて、当たり前の日常を過ごせることの大切さを感じました。
【体験者:40代・会社員、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。