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出版社で働いていた頃の話。初めて任された大仕事。
自分に自信がつき、期待を胸に挑んだものの思わぬ壁にぶつかり、見事に撃沈。
今回は、困難な状況の中でも支えや気づきを得ながら成長できた経験を紹介します。

胸が高鳴った、出版社でのはじめての大仕事

入社して半年が経った頃、私は初めて企画の立案から記事制作まで、すべてを一手に任されることになりました。
最初は胸が高鳴り、「やっと自分の力を試せる」と期待でいっぱいでした。
隣のデスクの同僚、高橋さん(仮名)も「大変だけど、絶対にいい経験になるよ」と励ましてくれ、背中を押されるような気持ちに。
夢中でアイデアを練り、取材計画を立てる日々。挑戦の連続で充実感にあふれる毎日でした。

焦りと悔しさの渦中で感じた無力感

締め切りは容赦なく迫り、原稿の見直し、取材の調整、デザインの確認と、やるべきことが次々と山積みになっていきます。
手元の作業は減らず、頭の中は焦燥感の渦。心臓はドキドキ、息が詰まるような緊張感の連続でした。
そんな中、上司から一本の電話が鳴ります。「この記事、もっと効率的に仕上げられるはずだ」と一言。
胸の奥がぎゅっと締め付けられるような悔しさと焦り。自分の無力さを痛感し、思わず視線を落としてしまいました。
「どれだけやってもまだ足りないのか……」その言葉が頭の中で繰り返され、心が沈んでいきます。

重い心が軽くなる瞬間。一歩ずつ進む力の実感

そのとき、高橋さんがそっと声をかけてくれました。「今日できることだけに集中してみよう。全部一度にやろうとしなくていい」。その言葉で、初めて心が少し解きほぐされました。
深呼吸をして頭を整理し、作業に優先順位をつけ、目の前の1つ1つに集中して取り組みます。
すると不思議なことに、手が止まらず作業がスムーズに進み、夕方には原稿を完成させることができました。
小さな成功。重くのしかかっていた心の重みが少しずつ軽くなる感覚。「一歩ずつ進むこと」の力を、肌で感じた瞬間でした。

挫折から学んだ、確実に前に進む力

この経験から私は学びました。
キャリアの壁にぶつかることは、誰にでもある現実。焦りや不安に押しつぶされそうでも、目の前の課題に集中し、工夫を重ねることで、確実に前に進むことができるのだと実感しました。
出版社でのあの日の挫折は、今でも私にとって貴重な糧。
「困難に直面したときこそ、自分の成長のチャンスである」という信念を与えてくれた経験です。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2023年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:miki.N
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。

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