休日もないほど激務な旦那さん
友人の旦那さんは大手の会社勤務。深夜帰宅も当たり前なほど、日々の激務に追われています。もちろん長期連休も忙しい為、友人は子供を連れて一足先に帰省しました。
その日の深夜、出張を終えた旦那さんは、奥さんと子供が待つ実家へとやっと辿り着きました。深夜なので誰もが寝ており、家全体はひっそりと静まり返っています。
待っていてくれたのは
誰も起こさぬよう、サッとシャワーを浴びて寝室に向かいます。
全員寝静まっている中、できるだけ音を立てないように布団に入ろうとすると、そこには実家で飼われている猫ちゃんが。かなりお年寄りの猫ちゃんですが、食いしん坊で遊ぶのも大好き。猫好きの旦那さんはしばらくの間、甘えてくる猫ちゃんを撫でたり、遊んだりしました。
すると、たくさん動いてお腹がすいたのか、おやつを要求してくる猫ちゃん。
この日の為に、猫ちゃんのお気に入りのおやつをお土産に持ってきていたので、ひとつだけあげることに。「続きは明日食べような」と言うと、猫ちゃんは満足げにのどを鳴らし、そのまま一緒に布団に入ると眠りにつきました。
衝撃の朝食
久々に家族団らんの朝食に参加できた旦那さん。
真夜中に勝手に猫ちゃんにおやつをあげてしまったことを、奥さんや両親に謝りました。すると、子供を含めた食卓にいた全員が動きを止め、一斉に視線を旦那さんに向けます。
なんと、猫ちゃんは先月亡くなっていたのでした。
驚き、急いでゴミ箱を確認すると、そこには確かに昨晩あげたおやつの空袋が……。
猫ちゃんが教えてくれたこと
その後、夫婦で残りのおやつを霊前に手向けていると「猫ちゃんが亡くなったって伝えてくれてたのに、聞き流していてごめん」と、普段は謝らない旦那さんがぽつりと呟きます。
その出来事があってからは、家族との会話を大切にしてくれるようになったそうです。
もしかしたら、亡くなった猫ちゃんが会話がほとんどなかった二人の絆を結び直してくれたのかもしれません。
【体験者:30代・会社員、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井 ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。