しかし、悪口は巡り巡って自分に返ってくるものかもしれません。
今回は、筆者が職場で人間関係に振り回されず、自分の心を守ることを学んだエピソードを紹介します。
心を削る職場の陰口ループ
調剤薬局で働いていた頃の話です。
職場には、毎日のように誰かの悪口を言う同僚、浦田さん（仮名）がいました。休憩になると、必ず「あの人、仕事できないよね」「本当、知ったかぶりばっかりだよね」と延々と陰口が続く日々。
最初は軽く相槌を打ってやり過ごしていましたが、次第に心の疲労感が募り、聞くたびに仕事へのやる気も削がれる無力感の連続でした。
我慢の限界。心の距離を置く決断
ある日、浦田さんの悪口は仕事の些細なミスや報告の仕方まで、過剰に批判する内容にまで及び、聞いていられない状況に。
さすがに我慢の限界で、話を合わせるのをやめ、心の中で距離を置くことにしました。相槌を控えめにし、話題を変えたり、必要に応じて少し距離を取る毎日。
最初は浦田さんの視線や反応が気になり、心のざわつきもありましたが、自分の心を守るためには必要な行動でした。
悪口の連鎖が止まった瞬間
すると、徐々に浦田さんの悪口の量は減り、話しかけてくる回数も少なくなってきました。
数日後、別の同僚からこんな言葉を耳にしました。「最近、浦田さんは悪口ばかりで、みんな呆れて少し孤立しているみたいだよ」その瞬間、ようやく腑に落ちた気がしました。
悪口を言い続けることが、結局は自分の居場所を狭めるだけだという現実。静かに自分を守ることの大切さを、身をもって実感した出来事でした。
職場での経験が教えてくれた自己防衛の知恵
この経験から学んだのは、無理に反論せず、静かに聞き流すことが、自分の心を守る最善策だということ。人の悪口は、いずれ自分に返ってくるという現実。
職場の人間関係では、相手を変えようとする努力よりも、ほどよい距離を保つことが、最もストレスを減らす方法です。
めんどくさい関係に振り回されず、冷静に自分を守る習慣の大切さを学んだ経験でした。
そのおかげで、安心感や自信を得て、自分らしく生きるための指針になったと感じています。
【体験者：20代・女性会社員、回答時期：2020年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター：miki.N
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。
