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妊娠中の女性は、直感が冴えると言われることがあります。
でも、あの日、鋭い“気配”を感じ取ったのは、まだ3歳の女の子でした。
これは姉が数年前に体験したお話です。

毎朝の格闘

第二子を妊娠してから、当時3歳だった、娘は毎朝癇癪を起こすようになりました。
「幼稚園に行きたくない!」と泣き叫び、のけぞり、靴を履くのも一苦労です。
赤ちゃん返りなのか、イヤイヤ期なのか…理由ははっきりしませんが、私は大きなお腹を抱えながら、毎朝の登園にかなり苦労していました。
抱っこして幼稚園まで向かう日もあり、大人の足で10分足らずの距離にある幼稚園も、1時間近くかかることもしばしば。体力的にも精神的にもかなりしんどかったのを覚えています。

静かな朝の変化

ある日の朝も「今日も泣くだろうな…」と覚悟していました。
ところがその日は、すんなりと起き、靴を履き、手をつないで登園してくれたのです。
「どうしたの?」と拍子抜けするほど、穏やかで静かな朝でした。
その日は妊婦健診の日だったため、私は幼稚園に送ったあと、そのまま病院へ向かいました。

まさかの緊急入院

病院につき、お手洗いに行くとまさかの出血。
予約時間を繰り上げて診察してもらった結果は
「切迫早産です。すぐに入院してください」
その瞬間、時間が止まったように感じました。不安、驚き、恐怖——。
私はそのまま病院に留まり、出産までの長い入院生活が始まりました。正産期までなんとか持ちこたえ、赤ちゃんは無事に生まれてきてくれました。
いつもなら泣いていた娘が、なぜかすんなりと登園してくれたこと。
もし、あの朝も抱っこしていたら——もし健診に遅刻していたら——。
娘は何かを感じ取っていたのかもしれません。

姉妹の絆

現在、第二子は元気に成長しており、長女もすっかりお姉ちゃんらしくなりました。
ケンカもしますが、姉妹そろってすくすく成長してくれています。
私は今でもあの日の静かな朝を思い出すたびに、胸がいっぱいになります。
長女の優しさと直感が、家族に奇跡をもたらしてくれました。

日々の忙しさの中で、ついついないがしろにしてしまいがちな家族との時間。
当たり前は当たり前じゃない、と気づかせてくれました。

【体験者:40代・会社員、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:佐野ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

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