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周囲が寝静まる中、ふと目が覚める夜。不意に聞こえてくる音や気配に、理由のない不安を覚えたことはありませんか? 今回は筆者本人が実家に住んでいた頃に体験した、恐怖のエピソードを紹介します。

深夜の気配に目が覚める

昔から、私の実家ではよく不思議なことが起こります。私だけでなく家族全員がなにかしらの体験をしていたので、そういう家なんだと思っていました。

ある年の冬のこと。二階にある自室で寝ていた私は、妙な気配を感じ目が覚めました。部屋の真下にある茶の間から、足音が聞こえてきたのです。古い家なので家鳴りは頻繁にありましたが、その音は、誰かがゆっくり歩くようなハッキリした足音でした。最初は祖母かと思ったけれど、時刻は午前3時。ですが、あまり気にせず私はまた眠りにつきました。

毎晩繰り返される音

次の日の夜。また同じ時刻に目が覚めました。やはり茶の間から足音がします。「またか……」と思っていると、ガラガラ――。茶の間と玄関をつなぐ戸が開く音。そして今度は玄関辺りを歩いているようです。さすがに怖くなり、隣の部屋で寝ていた妹の布団にもぐり込みました。

さらにその次の夜も、同じく午前3時。目覚めた瞬間、全身に鳥肌が立ち「これは危険な状況かもしれない」と察しました。聞こえる足音は玄関から階段の方へ向かってきているのです。「明日は二階にまで来るだろう」という恐怖のあまり、その夜は眠れずに朝を待ちました。

祖母の隣で一緒に眠ることに

翌朝、家族の中で一番霊感の強い祖母に相談すると「今夜は私が一緒に寝てあげよう」と言ってくれました。少し安心した私はその晩、祖母と布団を並べて眠ることに。

次に目が覚めたのは、いつもより遅い午前3時半。隣を見ると祖母の姿がありません。おそるおそる廊下に出ると、祖母が階段の方を向いてなにかを唱えているのが見えました。そして、なにかを払うような手の動き。そのまま私は部屋に戻り、気づけば朝になっていたのです。

「あんまりいいもんじゃなかったね」

すでに起きていた祖母に昨夜のことを尋ねると、「あんまりいいもんじゃなかったね。でも、もう来ないと思うよ」と穏やかに話してくれました。

「あれはなんだったの?」と何度か聞いてみたけれど、結局、あの足音の正体は教えてもらえませんでした。しかし、祖母がいなかったら、私はどうなっていたのか……。そんなことを考えると、今でも背筋がゾッとするのです。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。

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