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「こうありたい自分」と「本当の自分」の間で揺れ動くことは、多くの人が経験する悩みかもしれません。特に職場の人間関係では、見せたい自分と本音がかみ合わず、戸惑うことも多いものです。今回は、筆者が出版社に勤務していた頃のお話。はじめはサバサバしていてカッコいいと思っていた先輩でしたが、よくよく様子を見ていると……?

華やかな先輩・藤岡さんの魅力

編集部に、藤岡さん(仮名)という女性の先輩がいました。彼女は見た目が華やかで、性格はキリッとした姉御肌タイプ。社内では「私ってサバサバしてるからさ!」が決めゼリフで、これを聞くたびに周囲は「さすが、一本筋の通った人だな」と感心していました。

トラブルも笑い飛ばす! 頼れるサバサバ姉御の強さ

社内で小さなトラブルが起きても、藤岡さんは涼しい顔で「気にしても仕方ないじゃん」とあっさり一蹴。誰もがピリピリしている中、彼女だけはまるで余裕たっぷりの風が吹いているかのよう。その姿に最初は私も「なんてかっこいい人なんだ!」とつい見惚れてしまったものです。

陰口や悪口が飛び交う場面でも、藤岡さんは「くだらないから無視無視!」と大声で断言。周囲がもやもやしているときもはっきりと線引きをする彼女の姿に、頼もしい姉御肌らしさを感じていました。

サバサバの裏側に隠れた素顔

ところが数ヶ月経つと、様子が少しずつ変化。後輩たちがランチに誘い合うなか、自分だけ誘われないと午後の機嫌が悪くなる藤岡さんの姿が見られるようになりました。

さらに、他の人が上司に褒められると小声で「あの人、要領良すぎてズルいよね」とつぶやくことも。サバサバした印象とは裏腹に、時折見え隠れする嫉妬や苛立ちの影が、いつしか心の奥に引っかかるように……。

そんなある日、藤岡さんがポツリと「最近みんな私から距離を置いてる気がするんだよね。サバサバしてるだけなのに」と漏らしました。その時、社長が現れて一言。

「藤岡さん、それってサバサバじゃなくて、むしろちょっとナイーブで繊細な部分があるだけさ。でも、それも藤岡さんの魅力だよ」

まさかの社長からの言い当てに、藤岡さんも思わず苦笑いするしかなかったようでした。

サバサバ封印後の変化。自分らしさを手に入れた日々

藤岡さんは、その日を境に「サバサバ」を封印。少しずつ肩の力を抜いて、自分のペースで人と関わるようになりました。今では無理にカッコつけることもなく、素の自分で仕事も人間関係も楽しんでいます。

完璧じゃなくていい、ちょっとギャップがあってもそれが人間味。そんな成長こそが、人生のスパイスだと感じる今日この頃です。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2023年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:miki.N
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。

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