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結婚生活に「理想」と「現実」のギャップはつきものですが、それが心をすり減らすものだったとしたら……。日々の中で積み重なる小さな違和感や苦しさに、どう向き合うかは人それぞれです。今回は筆者本人が体験した、モラハラ夫とのエピソードを紹介します。

はじめは頼れる人だと思っていたけれど……

私は20歳のとき、2歳年上の男性と結婚しました。故郷から遠く離れた土地に嫁いだ私は周囲に知り合いもおらず、家事も育児も1人きり。孤独の中で家族が全てでした。

夫のことは頼れる人だと感じていたけれど、結婚してみると現実は違ったのです。長男の2歳の誕生日にも夫は家に帰ってこず、その日は赤ちゃんだった次男と3人でケーキを囲みました。

他にも夜中の授乳で寝不足の中、夫が運転する車の中で少しでも目を閉じれば「俺が運転してるのに寝てんなよ」と怒鳴られたり、夜の関係を断っただけで1か月の外出禁止にされたり。

気まぐれに誘われたドライブ

ある暑い夏の日、朝から機嫌の良かった夫に「遠出しよう」と誘われました。風邪気味の次男を連れていくのは心配でしたが、断ればまた何を言われるか分からず、私は従うしかありません。

1時間ほど車を走らせ、とある道の駅に立ち寄ると、外で売られているカブトムシに長男が興味津々。「少しだけ見せてあげたい」と夫に伝え、私は次男を抱っこしながら長男と外に残りました。

車に戻ろうとした私が見たもの

ジリジリとした暑さが私たちを襲います。飲み物を買おうと思いましたが、財布の入ったバッグは車の中。仕方なく一度車に戻ろうとした私の目に映ったのは、駐車場から出ていく夫の車でした。

炎天下、財布も携帯電話もない状態で小さな子ども2人と一緒に置き去りにされたのです。かろうじて夫の携帯の番号は暗記していたため、慌てて店内の女性スタッフに事情を話し、電話を借りて夫に電話しました。

「さっさと戻ってこないのが悪いだろ。喉が渇いたんなら水道水でも飲んでおけば?」
そんな冷たい言葉を返されても、私は必死で戻ってくるようお願いするしかありませんでした。

スタッフの女性からの言葉

しばらくしてようやく戻ってきたものの、夫は明らかに不機嫌なまま。電話を貸してくれたことのお礼をスタッフの女性に伝えて帰ろうとすると、その女性が私を呼び止めてこう言ったのです。

「余計なことかもしれないけど……こんなこと、普通だと思わないで。これ、私の連絡先だから。つらくなったら話して」

その言葉に、私は涙が出そうになりました。

決意と再出発

後日、その女性とやり取りを始めた私。シングルマザーだという彼女はかつて同じように苦しんだ経験があり、私を見て放っておけなかったのだと教えてくれました。彼女は私を心から支え、背中をそっと押してくれました。

それから1年後、私は夫と離婚。親権は私に。養育費は払われなかったけれど、逆に縁が切れて良かったです。子ども達を連れて地元に戻り、今はあの時の決断に救われています。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。

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