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スーパーやコンビニ、ドラッグストアにはたくさんの商品が置いてあります。ときにはレジを打つ際にちょっと気まずい思いをする場面もありますが、それでも平静を保つのがプロの接客業。しかし、プロといえど動揺してしまうケースも……。今回は筆者がコンビニで勤務する友人から取材した、レジでなんとも言えない雰囲気になったというエピソードを紹介します。

いつもと違う店舗でのシフト

私は高校生と中学生の息子を育てながら、近所のコンビニで働いています。店長でもあるオーナーは3つの近隣店舗を管理しているため、私たちスタッフも3店舗をローテーションで勤務。基本的にはA店に入っているのですが、急な人員不足があればB店やC店にもヘルプに入ることがあります。

この日、本来はA店の予定でしたが、急きょC店にシフト変更。イレギュラーな勤務に少し戸惑いつつも、いつも通りに商品補充やレジ業務にあたっていました。

レジに並ぶお客様の中に……

夕方、店内が混雑してきたので私はレジ応援に入りました。レジに立ち、お客様を順番にさばいていると、1人の若い男性がやってきました。手にはお菓子と、避妊具。

(あぁ、カップルかな。そういえば息子も彼女ができたって言ってたなぁ)と何気なく視線を上げた瞬間、時間が止まりました。

目の前にいたのは、うちの高校生の息子……。

気づいていないふりで通す?

息子はイヤホンをつけたまま俯いていて、私に気づいていない様子でした。そもそも、私が今日はA店勤務だと知っていたからこそ、あえてC店を選んだのかもしれません。

(私も気づいていないふりで終わらせる? いや、無理だろう)と脳内会議を開始する間もなく、ついに息子と目が合ってしまいました。

驚きと絶望が混ざったような息子の表情。「なんでこっちなんだよ!?」と全身で訴えていました。いや、こっちのセリフだ。

張り詰めた空気の中で

私も息子も、気まずさでいっぱい。私は無言でレジを打ち、無言で袋に詰めました。そして、ようやく絞りだすように「ポイントカードはお持ちですか?」とだけ尋ねました。息子は一瞬の沈黙の後、消え入りそうな声で「……持ってません」。

レジ袋より、空気がパリパリに張り詰めていた夕暮れのコンビニ。きっと、お互い一生忘れることはできないでしょう。それでも、避けようのない偶然に巻き込まれたこの日の出来事は、いつか笑い話になる……はずです。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。

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