花火大会当日、思わぬシフト変更
私は地元のスーパーで働いています。住宅街から少し離れた場所にあり、普段はのんびりとした雰囲気の職場ですが、夏になると少し様子が変わります。その理由は、毎年行われる花火大会。なんと店の駐車場が、知る人ぞ知る“穴場観覧スポット”として人気なのです。
コロナ禍で数年間中止されていた花火大会が、久しぶりに開催されたある年。私は当日、同僚の体調不良により急きょ夜7時半までのシフトに入りました。花火の打ち上げは夜8時から。子ども達と「一緒に花火を見ようね!」と約束していた私は、仕事を終えてすぐに帰れば、なんとか間に合うと踏んでいたのです。
想像以上の駐車場
ところが、仕事を終えて駐車場に出たその瞬間、目の間には想像を超える光景が広がっていました。店舗前の駐車場はもちろん、スタッフ用の裏手駐車場にまでびっしりと車が停まっていたのです。しかも、駐車スペースだけでなく通路まで無断で駐車されています。
「これじゃ車を動かせないよ……」けれど約束の時間は迫っている。私は仕方なく車を置いて家族のもとへ向かうことに。仕事でクタクタの体に鞭を打ち、10分近く走ってようやく子ども達と合流することができたのです。
ただ、花火にはなんとか間に合ったものの、心の中はモヤモヤでいっぱいでした。
店長へ相談すると……
翌日、私はこの出来事を店長に相談。すると店長は「来年から対策を考えよう」と言って動いてくれることに。
そして迎えた翌年の花火大会。当日は、スタッフ用駐車場への一般車両の進入を防ぐため、カラーコーンが設置されました。さらに店内には【花火大会当日の駐車場利用について】のお知らせも掲示され、店全体での対策が講じられました。
その結果、無断駐車は大幅に減少し、スタッフの退勤もスムーズに。もちろん、お客様も混雑によるトラブルに巻き込まれることなく、落ち着いて買い物ができるようになったのです。
小さなきっかけがつないだ安心
私の心のモヤモヤを店長に話したことがきっかけで、スタッフにとっての職場環境の改善につながり、さらにお客様の快適な買い物時間を守ることにもつながりました。これからも気づいたことを見過ごさず、少しでも改善につなげていくことが大切だと実感した出来事でした。
【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。