~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~
常連客との何気ないやり取りから、思いがけないプレゼントを受け取った若かりし頃の私。喜びに沸いたその日の夜は、ちょっと特別な時間になりました。けれど翌朝、まさかの展開が待ち受けていて……。今回は、筆者本人が体験したエピソードを紹介します。

お金持ちの常連客からまさかの差し入れ

これは20年以上前、私が都内のガソリンスタンドで働いていた頃の話。場所柄か、お金持ちの常連客がチラホラやってくるお店でした。中には高級車の洗車を頼んで外出し、戻ってきたタイミングで差し入れをしてくれる人も。

芸能関係の会社役員だというKさんもその一人。最初こそ少し怖い雰囲気に思えたけれど、接客を重ねるうちに私も打ち解けて仲良くなっていきました。

ある日。そのKさんがニヤリと笑いながら私に「2人で飲みな」と酒瓶のようなものを差し出してきました。ラベルを見てびっくり! なんとドンペリです。

「2人」というのは、私と彼氏のこと。当時の私は社内恋愛の真っ最中で、相手は同じ店で働く先輩。周りのスタッフも公認の関係でした。もちろんKさんにも知られていたのです。

舞い上がる私たち

まさかの高級シャンパンに、私は彼と2人で大興奮。「人生初のドンペリだよ!」なんて言いながら、ニヤニヤしつつ帰宅しました。ただ、翌日は2人とも早番。朝8時出勤です。なので「少しだけにしようね」と念を押しつつ、早めの時間に乾杯しようと決めました。

そして迎えたドンペリタイム。香りからしていつものお酒と違う! 美味しすぎる!

調子に乗った私たちはいい感じに酔いが回り、そのままウトウト……。気づいたら、2人とも爆睡していました。

余韻に浸ってる場合じゃなかった

翌朝。携帯のアラームが鳴る音で目を覚ますも、寝ぼけながらスルー。横にはまだ爆睡中の彼。私は「ドンペリ、ホントに美味しかったなぁ」なんて余韻に浸っていました。

すると、また携帯のアラーム。さすがに違和感を覚え画面を見たところで、私は頭が真っ白になります。

なんと時刻はすでに8時過ぎ!
携帯から鳴っていたのはアラームではなく、店長から何度もかかってきた着信だったのです。

青ざめながら彼を叩き起こし、2人で猛ダッシュで準備。店に着いたのは9時過ぎ、私たちは深々と頭を下げて謝罪しきりです。24時間営業のスタンドだったので夜勤スタッフがギリギリまで残ってくれていましたが、当然ながら店長にはこれでもかというほど、こっぴどく叱られたのでした。

反省と誓い

数日後、Kさんがいつものように来店。店長から話を聞いていたらしく、ニヤニヤしながら「ドンペリ美味かったか?」とからかってきました。

さらに、「次は休みの前日に飲むように!」と言って、まさかの2本目のドンペリを手渡してくれたのです。鋭い視線を向ける店長の手前、手放しでは喜べなかったけれど、「もう二度と寝坊はしません!」と店長とKさんに誓い、慎重にドンペリを持ち帰りました。

それ以来、私は一度も寝坊で遅刻していません。あの日、店長の怒った顔は20年以上経った今でも、鮮明に覚えています。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。

This article is a sponsored article by
''.