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新人の教育は色々と気を遣い、頭を悩ませるもの。その人のためと思ってしたことが、思うように伝わらないことも……。今回は筆者の知人から聞いた、トラブルメーカーの新人にまつわる、ゾッとしたエピソードを紹介します。

明るくてフレンドリーな新人

私の職場であるスーパーに、新人パートのAが仲間入りしました。シフトがほとんど一緒だった私が、教育係としてAを指導することに。接客業は初めてというAでしたが、明るくてとてもフレンドリーな性格だったので「上手くやっていけそうかな」と安心していました。けれど、徐々に問題を起こすようになったのです。

1週間ほど経った頃、時間になってもAは出勤してきません。電話しても繋がらずスタッフみんなで心配していましたが、1時間後「おはようございまーす」とAが現れました。

「みんなで心配してたんだよ。遅れるなら遅れるって連絡してね」そう伝えましたが、「あ、はーい」と何食わぬ顔で仕事に入ったのです。

ベテランパートもお手上げ?

それからAは、連絡なしの遅刻だけでなく無断欠勤も増えてきたのですが、気の弱い店長も私も強くは言えず……。ただ1人、ベテランパートのOさんだけは、遅刻や無断欠勤するたびにしっかりと注意してくれていました。もちろん、Aにだけ特別というわけではなく、他のスタッフや店長にもズバッと指摘してくれるような頼れる存在。

けれど、Oさんに何度注意されてもAの遅刻癖は変わりません。むしろ、Oさんや他のスタッフへの悪口をお客さんにまで言いふらしたり、勤務中にスマホゲームをしていたりと、問題行動は増えていく一方。結局、2か月後の契約更新のタイミングで契約解除することとなったのです。

退職を迎えた新人が持ってきた手土産の中に……

そして迎えた勤務最終日。在庫確認をしていた私と店長の元へAはやってきて、「お世話になりました。みんなで食べてください」と言って紙袋を差し出し、店を去っていったのです。受け取った袋から菓子折りを取り出そうとした拍子に、2つ折りにされた紙が2枚、床に落ちてしまいました。何だろうと拾い上げ、その内の1枚を見てみると、「みなさんへ」と、店のスタッフへの感謝と謝罪の言葉が書かれてありました。

「ちゃんと反省してくれてるみたいで良かったですね」と言いながら店長の方へ顔を向けてみると、店長の顔は真っ青。店長が拾ったもう1枚のメモ用紙に書かれていたのは、背筋も凍るような内容だったのです。

「これは見せられない……」

「Oへ。あんたのせいで私は辞めることになった。遅刻も欠勤も何が悪いの? あんた人間として終わってるよ? みんなから嫌われてるし、これから絶対不幸になるからね。楽しみだよ」

あまりにも酷すぎる中傷。「これはOさんに見せられない。こちらで何とかします」店長はそう言って、渡さないことにしたのです。

Aが辞めてからは店の雰囲気も良くなり、穏やかな日々が戻ってきました。Oさんも変わらずバリバリ働いています。ただ、Aの教育係だった私や店長がきちんと注意していれば、Oさんがここまで恨まれることはなかったと思います。ゾッとしたけれど、同時に深く反省した出来事でした。

【体験者:30代・女性パート、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。

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