~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~
時代が変われば、価値観も変わっていきます。仕事への考え方や親子関係も、自然と変化するもの。しかし、時には自分の感覚との違いにびっくりしてしまうときも……。今回は、スーパーで働く筆者の知人が体験した、新入社員とのエピソードを紹介します。

あいさつに来る新入社員にソワソワ

私の働くスーパーでは、3月後半になると新入社員が研修の一環として配属先の店にあいさつに来るのが通例です。勤務時間内に当たるので、来るのはみんなスーツ姿。

勤務する店では今年、大卒の“K子さん”という新入社員が配属されることになっていて、周りのスタッフたちは「どんな子なんだろう?」とソワソワしていました。

現れた女性の姿を見て「さすがに違うよね?」

お客さんもまばらなお昼過ぎ。レジに立つ私は、サービスカウンターで私の同僚と話している女性に気づきました。

「もしかして新入社員のK子さん?」一瞬そう思ったのですが、すぐ「いや、でもそんなわけないか」と考え直しました。というのも、女性はスウェット姿というラフすぎる格好。「さすがに配属先へのあいさつの時にスウェットはないよね?」と思ったけれど、その女性は、同僚に呼び出された店長と一緒に事務室のあるバックヤードへ入っていったのです。

サービスカウンターにいる同僚に聞くと、「新入社員のK子さんだったよ」と教えてくれました。

「スーツじゃないんだね」そう口にした私に同僚は、「新人研修の一環だけど、指導者が付き添うわけじゃないからね。事前に服装について聞かされてるだろうけど、チェックされることもないから……」と。

挙動不審な中年女性と新入社員が合流?

店長に連れられて、その日出勤していたスタッフ1人1人にあいさつ回りをするK子さん。一方その頃、私は中年の女性客のレジをしていました。

店では見た覚えのないこの女性客。なんだか落ち着きがなく、キョロキョロと周りのスタッフを見回しています。すると、あいさつを終えたK子さんがこの女性の元へやってきました。そして一言。

「ママ、あいさつ終わったよ!」
実はこの女性、K子さんの母親だったのです。

「ちゃんと1人でできて偉いわね。次からはママは着いてこられないけど大丈夫?」と話す女性。続けて、「見た感じ意地悪そうな人はいなそうだけど、なにかあったら言うのよ?」そう話しながら2人は帰っていきました。

心配な気持ちはよく分かるけど……

決して親同伴が悪いものではありません。私や同僚の子どもたちもこの春就職したばかりだったので、心配になる気持ちは分かります。けれど、自立のためには手を放すことも必要だと思っていた私は驚いてしまいました。

「今は社会人になっても親同伴が普通なの?」と、私以外のスタッフも戸惑いを隠せませんでした。

世代の違いも歩み寄る気持ちが大切!

そんな初対面から1か月。K子さんは慣れないながらも頑張ってくれています。過保護な母親の愚痴も言いながら(笑)。

もちろん親子ほどの年の差もあって考え方の違いもあるけれど、それはお互い歩み寄っていけばいいだけのことかもしれません。もし社会人としてK子さんが分からないことがあれば、先輩である私たちが相談に乗ろう、と最近では思っています。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。

This article is a sponsored article by
''.