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特に自分に思い当たる節がないのに、先輩から無視や理不尽な説教といった嫌がらせをフライト中に受けた私。今回はハズレのフライトだと落ち込んでいましたが、とあることがきっかけで先輩の態度が急変! 後輩の私にゴマすりまで始めたのです。一体何が先輩の態度を変えさせたのでしょうか?

理不尽な先輩と仕事をすることに……

これは、私が航空会社で働いていた時のとあるフライトでの出来事です。

フライト開始直後から、特に何の失敗もしていないにも関わらず、ある一人の先輩に無視をされていました。業務上必要なことを伝えても返事はなく、大変仕事がやりにくい状況でした。

「私の仕事ぶりが気に食わないのかな?」と思い、挽回しようと先輩の範囲の業務までカバーをして気を遣いますが、先輩の態度は変わらず。初めて口をきいてくれたかと思えば、「あなたのメイクが濃くて下品だから化粧室で直してきなさい!」と理不尽なお説教までも……。

これまで、特にメイクについて指摘を受けたことはなかったため、腑に落ちない気持ちはありつつも、私は機内の化粧室でメイクを直しました。

ひょんなことから、先輩の態度が急変!?

フライトの合間の休憩時間で、CA複数人で集まり雑談をしていました。

そこには、あの説教をしてきた気難しい先輩も同席。先輩は私以外のCAとは楽しく会話をしており、ますます私は「自分の何が気に入らないのか?」と疑問が深まるばかりでした。

雑談は出身大学の話題に。すると、ここで事態が変わります。

私が自分の出身大学を伝えると、先輩が唐突に「え! そこ娘の第一志望の大学なのよ〜!」と私に声を掛けてきたのです。

手のひら返しの態度は続く

私の出身大学が娘の第一志望と判明してから、先輩の態度は急変。さっきまで無視をしていたにも関わらず、私に愛想笑いを振りまき、こまめに情報共有もしっかりしてくれるようになりました。

そのうえ「あなたって本当に仕事ができるのね〜! 助かっちゃう!」と急に私のことを褒めるゴマすりまで始めたのです。私は心の中で「そんなに支障なくコミュニケーションができるなら、最初からそうしてよ……」と思いました。

さらには業務の合間を縫って、何の参考書を使ったか、予備校はどこに通っていたかなど受験対策について根掘り葉掘り質問攻めにしてくるという、まさに手のひら返しだったのです。

人としてのあり方に改めて気付くきっかけに

急に態度を変えて有益な情報を引き出そうと話しかけてきましたが、やはり私はフライトの前半で嫌がらせを受けていたため、気が進みません。本来であれば役に立てるような情報を共有したいところですが、自分を傷つけてきた先輩にあまり話す気にならず、適当に当たり障りのない返答でその場をやり過ごしました。

結局、最後の最後まで私の何が気に食わなかったのかよく分からないまま、フライトは終わりました。

自分が得をするために、急に良い態度に変えても時はすでに遅し。一見当たり前のように思えますが、「相手によって態度を変えるのではなく、はじめから誰にでも優しく接する」ことの大切さを改めて感じたフライトでした。

【体験者:30代・会社員、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:阿川香織
日系航空会社で国際線・国内線の客室乗務員として勤務。現在は退職し、乗務員時代に得た知識や出会ったお客など、女性ならではの視点でコラムを執筆。子育てに奮闘しながら、女性を言葉で元気づけたいと精力的に情報発信をおこなう。

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