大声で話す若者2人組
私が家族と外食に行った時のことです。その日は休日ということもあり、店内はとても混んでいて、30分ほど待ってようやく席に案内されました。
席についてメニューを見ていたところ、突然「はいどうも〜! 今日は爆食い企画~!」という大声が聞こえてきました。店の外には行列ができるほど混雑しているのに、なんて迷惑なお客さんだろうと声の方へ目をやると、2人組の男性とテーブルいっぱいに並べられた料理が目に入りました。なんだか嫌な予感がしましたが、気にせず早く食べて帰ろうとそのまま無視することに。
予感は的中。目に余る行動がエスカレート
しかし、私の嫌な予感は的中しました。2人組はテーブルに並んだ料理を全く食べ終わっていないにもかかわらず、次々と料理を注文。パフェはアイスが溶けきり、麵類は汁を吸いきるほど放置されていて、食べ物が明らかに粗末に扱われていました。
さらに、箸を使わずに素手で食べ始めたり、店内を歩き回って撮影し始めたりと、気になる行動はエスカレート。周囲のお客さんたちも不快そうな視線を向けていました。
注意する店員さん
いよいよ店員さんがやって来て、2人組に注意しました。
「お客様。恐れ入りますが、他のお客様のご迷惑になるため、店内を歩き回っての撮影はお控えください」
ところが、2人組は注意されても悪びれる様子もなく「撮影禁止なんてどこにも書いてない」「誰の迷惑にもなってない」などと反論する始末。しまいには「くだらない話してる間にこんなに料理が冷めちゃったんだけど、どうしてくれんの?」と、理不尽ないちゃもんまでつけ始めるではありませんか。
本当に嫌だなと思って見ていたその時、店員さんは2人組に重い一言を放ったのです。
今すぐお帰りください
「お支払いは結構です。今すぐお帰りください」
2人組は驚いた顔で「は? 俺ら客なんだけど? なにその態度」と言い返します。しかし、店員さんは一歩も引きませんでした。
「私共は、お客様にリラックスしてお食事を楽しんでいただきたい気持ちで、お料理を提供しています。他のお客様に配慮できない方を見過ごすわけにはいきません。お支払いは結構ですので、お帰りください」
その後2人組はしぶしぶ撮影をやめ、支払いをせずに帰っていきました。
「お客様にリラックスしてお食事を楽しんでいただきたい」という気持ちを体現する店員さんの行動に、心の中で拍手を送りました。
【体験談:30代・女性会社員、回答時期2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:miki.N
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。