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商品パッケージに書いてあるレシピって便利ですよね。作ったことがない料理でも、レシピ通りにすれば簡単に作れてしまいます。もちろん、「書いてある材料を必ず使わなければいけない」というわけではないのですが……。今回は私が遭遇した、おすすめ材料を巡ってのモヤモヤエピソードを紹介します。

鍋スープの素を眺める女性客

私の働く店では、毎年3月頃になると季節商品の入れ替えのため、秋冬商品が割引になります。例えば、鍋スープの素。

その日、私はレジに立ちながら、割引商品を眺める中年の女性客の様子が気になっていました。ずっと鍋スープの素とにらめっこしているのです。正確な時間は分からないけれど、おそらく10分以上はその状態のまま。そしてついにその女性が、割引された鍋スープの素を1つレジに持ってきました。

鍋スープの材料を聞く女性

レジで、「初めて鍋スープの素を使うんですけど、材料は何がいいですか?」と私に質問する女性。おすすめの材料はパッケージ裏面に書いてあったので、私はその通りに説明。それが失敗でした……。

女性が持ってきた鍋スープの素は寄せ鍋風で、裏面に書かれていたおすすめの材料は、エビやホタテ、魚などの魚介類です。

頑なにおすすめ材料にこだわる

ひと通り説明が終わると、「エビも入れなきゃならないの?」と女性。この鍋スープの素を使ったことがあった私は、「いえ、そんなことはないですよ。書いてある材料は“例えば”なので、エビじゃなくて鶏肉でも美味しいですよ!」と伝えたのですが、「でも材料に書いてあるし」と引き下がりません。

エビやホタテ以外の食材をおすすめしてみても、「だってエビを入れるって書いてある……」といったやり取りが5分ほど続いたのです。

どうしてもエビが食べたかったの?

やっと納得してくれたようで、女性は鍋スープの素を購入して帰っていきました。ほっと胸をなでおろしたのも束の間。30分後、女性は戻ってきました。

「スーパーにエビが売っていなかったので、鍋スープの素は返品してこっちを買います」。そう言って新たに買っていったのは、魚介味のカップラーメン。

丁寧に説明をしたつもりだったのに、悲しい……! とはいえ、決めるのはお客さん。接客業って難しいなと思いつつも、自分ができる最善の仕事をするしかないなと感じた出来事でした。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。

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