面倒見のいい同僚女性
20年近く前、私は家族経営の会社で働いていました。配属された店は10人ほどの従業員がいて、みんな仲が良かったです。ただ、上司であるAさんは少し気難しく苦手なタイプ。そんな上司と特に仲が良かったのが同僚女性のEさんでした。
そもそもEさんは誰とでも仲良くなれる人で、実際私が入社した時も色々面倒を見てくれました。世話好きで面倒見がいいので、他の従業員の悩みや愚痴も進んで聞いてあげていたようです。難点といえば、少々口が軽いところ……。
同僚女性が選んだ次の話題
ある日の昼休み。私とEさん、上司Aさんの3人で雑談をしていた時のことです。色々な話をしていたEさんは、次の話題を探しているのか急に黙ってしまいました。
しかし、口を開いたEさんから発せられた言葉は耳を疑うものでした。
「そういえば、B君がAさんのこと『わがままで仕事できないよな』って冗談で言ってましたよ(笑)」
突然、別の同僚男性Bの話題を持ち出したのです。「冗談で言っていた」と話せば笑い話になると思ったのでしょうか? でも内容が悪すぎです。
後悔しても遅かった
Eさんの発言を聞いた私は青ざめ、Aさんの顔は険しくなりみるみる真っ赤に。そんな両極端な2人の表情を見て「しまった!」という表情のEさん。後悔しても時すでに遅し。事態は最悪でした。
その日休みを取っていたB君に、Aさんはその場で電話。怒りの感情を全てぶつける様子は恐怖でしかありませんでした。会社役員の面々と深い付き合いだったAさんは、会社全体をも巻き込み、B君は退職寸前まで追い込まれていったのです。
口は禍の元
辛うじて退職は免れたものの、B君のメンタルは相当やられていました。そんなゴタゴタを引き起こしてしまったEさんは、自分の発言をとても後悔。
けれど、周りの従業員からの印象は悪くなり、みんなEさんを避けるように……。結局Eさんは仕事を辞めることになりました。
口は禍の元。話題作りのために、他の人を巻き込むような話はしちゃいけないなと学んだ出来事でした。
【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。