勤務先への愛を歌ったラップが大ヒット
米ジョージア州のワッフル・ハウスで働いていたエドリック・ライリーさん。アーティスト名「ロックスター・ライリー」として音楽活動も行っており、勤務先を題材にしたラップ曲「Waffy Options」を制作しました。

出典:@KariDaniels/x
曲ではワッフル・ハウスのメニューや、ほかの店が閉まっている時間帯でも営業していることなどを紹介。制服姿のライリーさんが店内のカウンター裏でパフォーマンスする動画がSNSで拡散され、TikTokでは100万回再生を突破しました。Instagramでも数十万回規模の再生やシェアを集めたといいます。
ライリーさんとワッフル・ハウスとの関係は長く、本人によると15歳のころから断続的に約20年間勤務。かつて仕事を得るため、母親の自転車で約5マイルを走って店まで向かったこともあったと振り返っています。
※なお、会社側は後の取材に対し、ライリーさんが2008年に採用され、実際の勤務期間は断続的に合計約4年半だったと説明しています。
会社が問題視したのは「無許可撮影」
ところが、動画が大きな注目を集めた後、ライリーさんはジョージア州サンディスプリングスの店舗を解雇されました。
ワッフル・ハウス側によると、理由はラップの内容そのものではなく、会社施設で宣伝目的のコンテンツを無許可で繰り返し撮影したこと。同社は、個人的な宣伝や商業目的、ブランドの収益化などのために会社施設を無断使用することを禁止していると説明しています。
会社側はライリーさんに複数回注意し、さらに違反すれば解雇する可能性があると警告していたと主張。それでもその後、店舗の駐車場に撮影クルーや照明、バックダンサーまで呼び、許可を得ずにミュージックビデオを撮影したとしています。
「会社を最もポジティブに宣伝していただけ」
一方のライリーさんは、自分の音楽は仕事と音楽への愛情から生まれたものだと説明。勤務先を悪く扱ったのではなく、「20年間働いてきた会社を最もポジティブな形で宣伝していただけ」という趣旨で反論し、ルールがほかの従業員にも公平に適用されているのか疑問を呈しました。
それでもワッフル・ハウスそのものを嫌いになったわけではないようです。解雇後の取材でも会社を悪く言うつもりはないと話し、音楽活動に本格的に取り組む意向を示しています。
勤務先への愛から生まれた曲が100万回以上再生され、その後、自身が職場を去ることになるとは本人も想像していなかったかもしれません。会社側とライリーさん双方の主張が伝えられるなか、SNS時代ならではの「従業員による発信」と企業ルールの難しさも浮き彫りになった出来事です。
Photo:Magnific

