ベトナムで前例のない大規模な取り締まり
今、政府主導による全国規模の知的財産侵害対策を進めているベトナム。BBCによると、2026年5月以降、ホーチミン市郊外では、ナイキやアディダス、クロックス、グッチなどのロゴを模した偽サンダルが約2万3,000足、時価にして約20億VND、日本円で約860万円が押収されたほか、サイゴンスクエアやベンタイン市場などでも摘発が行われました。
さらに6月、タインホア省でルイ・ヴィトンやカルティエ、ブルガリ、ティファニーなどを模倣したとされる宝飾品も1万点以上が押収されたと報じられており、取締りを行う389委員会によると2,000件以上の摘発が行われているといいます。
一気に摘発が行われているベトナムですが、この背景には、米国による圧力が関係していると見られています。
今年4月、アメリカの知的財産を管理する米通商代表部が、ベトナムを最も厳しいカテゴリーの「最優先監視国」に指定。この指定は13年ぶりで、この指定を受けるとアメリカによる調査の開始が可能になるといいます。
それに先立ち、政治的な不利益が生じる前に、ベトナムが自ら取り締まっているのではないかという見方がされています。
偽物を巡るそれぞれの事情
一方で、この問題は単純に違法行為を取り締まる構図だけではないといいます。
本物のブランドやデザイナーにとっては知的財産を守ることが重要な課題である一方で、何世代もコピー品販売で生計を立ててきた露天商などが多いのも事実で、長年の生活基盤であり死活問題という側面もあるとBBCは指摘します。
今回の取り締まり強化は、ベトナム国内だけでなく、国際的な貿易やブランド保護にも影響を与える動きとして注目されています。世界各地で知的財産保護が重視される中、ベトナムの取り組みは、今後の「コピー品市場」の行方を占う転機となるのでしょうか。
Photo: Magnific

