「自分はもう死んだ人間」。そんな前代未聞の偽装工作で捜査の手から逃れようとした男が、ついに獄中で死亡しました。偽名を使い、海外へ逃亡し、法廷でも最後まで別人だと言い張ったその半生は、世界中で大きな注目を集めていました。
死亡したのは米ロードアイランド州出身のニコラス・ロッシ(本名ニコラス・アラヴェルディアン)受刑者(38)。
ユタ州矯正当局によると、6月25日、服役中に持病の合併症で病院に搬送され、その後死亡しました。本人は治療の継続を望まなかったとされています。
ロッシ受刑者は2008年に起きた2件のレイプ事件で有罪判決を受け、10年以上の実刑判決を受けて服役していました。裁判では判事から「女性への連続的な加害者」と指摘されていました。
「私はアーサー・ナイト」と別人を主張
事件が世界的な話題になった理由は、その大胆な逃亡劇です。ロッシ受刑者は2020年、自身ががんで死亡したという偽の訃報を流し、当局の追跡を逃れようとしました。その後、スコットランドへ渡り、「アーサー・ナイトというアイルランド人孤児だ」と主張し続けます。
しかし2021年、新型コロナウイルスの治療で入院したグラスゴーの病院で、国際手配書に掲載されていた特徴的なタトゥーから職員に気付かれ逮捕。指紋やDNA鑑定などによって本人であることが確認され、2024年に米国へ身柄を引き渡されました。
被害者に訪れた一つの区切り
帰国後の裁判では2件のレイプ事件で相次いで有罪となり、最低10年間の服役が確定していました。
地元検察は「彼は責任から逃れようとしたが、最終的には有罪となり、刑務所で人生を終えた。被害者にとって一つの区切りになることを願っている」とコメントしています。矯正当局は、死亡前に被害者や家族へ連絡を行ったと明らかにしました。
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