世界のライター班が、スナップ取材の合間に入って気になったカフェを紹介します。今回はドイツの首都・ベルリンから。ドイツのなかでもとりわけ多様な人々が集まり、クリエイティブなエネルギーに満ちた街。多くのアーティストや起業家たちと共生するこの街にはユニークなカフェやギャラリーが多く存在します。そんな現地のトレンドアイコンたちに支持される店SFERA(ズフェーラ)にクローズアップ。
SFERAはベルリン・ノイケルン地区のアルト・リクスドルフエリアに位置するカフェでありブランチレストラン。すべてのメニューに厳選されたヴィーガン食材が使用されています。ファウンダーのヤナさん自身がヴィーガンであり、外食選びに苦労した経験から、同じ悩みを持つヴィーガン仲間たちのためにSFERAをオープンしたといいます。さらに、より多くの人にプラントベースでも美味しい食事を楽しめることを知ってもらいたいという思いが込められています。
SFERA
SFERAが位置するのは歴史あるアルト・ルクスドルフエリア。かつて多くのチェコ人が住んでいたこの地域には、ゆったりとした雰囲気の古い街並みが広がっています。そんな風情にぴったりなこのお店では、すべてビーガンで味わえるペイストリーやブランチメニューに加え、チェコのナチュラルワインを楽しむこともできます。
ファウンダーのヤナさん。
ヤナさん:オープンしたきっかけは、私自身がヴィーガンであり、ヴィーガンの友達がたくさんいるからです。ヴィーガンの人が外食するときに困るのが、選択肢が少ないこと。ヴィーガンでありながらハイスタンダードなものを探すことは容易ではないのです。だから自分のため、そして私のヴィーガンの仲間のためにお店をやろうと思ったのです。それに、ヴィーガンではない人々にもプラントベースの食材を十分に楽しめることを知ってほしかった。
カウンターに並ぶペイストリーも、もちろんすべてヴィーガン。毎日営業前に焼き上げられます。画像中央に位置するSemlaは、雲のようにふわふわにホイップされたバタークリームが詰まった、自家製ブリオッシュ。SFERAの大人気アイテムのひとつです。そのほかにもチェコの伝統的な焼き菓子、そして軽食にぴったりなトーストなど幅広いラインナップです。
ヤナさんのオススメのブランチメニュー。(画像上から時計回りに)セモリナのポリッジ、ラディッシュのサラダ、ポテトとディルのホットサラダです。色鮮やかで写真映え。フレッシュな旬の食材を使ったブランチを楽しみながら、ゆっくりとした時間を過ごします。
100年前から受け継がれる店内装飾
SFERAは三つのスペースから構成される、広いカフェ。カウンターのある、一つ目のスペースには美しい壁装飾が施されています。
ヤナさん:実はこのスペース、100年ほど前はお肉屋さんでした。壁にはその当時の装飾が残されています。前のオーナーからこのお店を買い取った時に、この装飾はそのまま残したいと思いました。私たちのロゴやバウチャーなどのヴィジュアルアイテムもをデザインする時にはこの場所に合う、ヴィンテージな雰囲気を取り入れつつモダンなデザインを考えました。
奥には二つの独立したスペースがあります。壁にはチェコワインのボトルがずらり。
ヤナさん:ドイツではイタリアやフランスのワインには馴染みがあるものの、チェコのワインを味わうことのできる場所はそう多くありません。私たちは小さなファミリービジネスで作られた、チェコのナチュラルワインを取り扱っています。
ヤナさん:SFERAはチェコ語で球体、範囲を表す言葉。ここが「私たちのスペース」であり、アイディアや意見を交わす場所でありたいという意味を込めて名付けました。
店舗情報
SFERA
Info.https://www.instagram.com/sfera.berlin
Schudomastraße 44, 12055 Berlin GERMANY
月、水、木、金:10時〜16時
土日:10時〜17時
※火曜休業
Senior writer / Photographer:Yuko Kotetsu
Coordinator:Yuri Wakamori