ダイバーシティな価値観が拡大される社会でそれぞれの個性が尊重されるようになり活動の幅を広げるセクシャルマイノリティのモデルたち。そんなファッション業界で活躍する注目モデルをピックアップしてお届けする本連載。今回は役者としても活動するトランスジェンダーモデルのHunter Schaferについて紹介していきます。

19歳にNYにてキャリアをスタート

19歳でモデルとしてのキャリアをスタートさせ、2018年には名だたるメゾンの元でモデルとして活躍しランウェイに登場することに。そして2019年、Zandaya主演のドラマ「ユーフォリア」にてトランスジェンダー役を務めたことで役者としても一躍有名となりました。役柄として演じただけでなくHunter自身もトランスジェンダーとしてのアイデンティティを持っており、度々メディアでも公言しています。

マイノリティのアクティビスト

エンタメ業界で度々議論を呼ぶ話題でもある、LGBTQ+のキャラクターをシスジェンダーが務める問題について、マイノリティのジェンダー・セクシャリティの役柄を当事者であるHunterが演じたことでも「ユーフォリア」は注目を集めました。そんな彼女はマイノリティコミュニティのアクティビストとしての一面も持ち合わせています。アメリカのティーン雑誌Seventeenなどでも彼女の活動に関する記事が書かれたりなど、マイノリティの人々に対する人権意識向上についてZ世代に影響を与える大きな存在です。

日本のカルチャー好きな一面も

WOMEN SS 2019 / MILANO / FULL LENGTH / MSGM /

モデル、俳優、アクティビストと様々な肩書きを持つ彼女は自称ファッションフリークでもありSNSでは私服姿のプライベートなショットも多くポストしています。また日本のアニメ好きな一面があり以前はキャラクターのコスプレをした写真をポストしていたことも。細田守監督の映画「竜とそばかすの姫」で英語版声優として吹き替えを担当するなど、日本のカルチャーとも親しみがあります。

LGBTQ+の一人として次世代への発信

WOMEN FW 22-23 / MILANO / FULL LENGTH / PRADA /

モデルとしてキャリアを始めた当初は儚げな印象が強かった彼女ですが、高校時代からアクティビストとしての活動を続けてきたことや俳優としてのキャリアアップも併せて、近年ではマイノリティコミュニティを代表する人物としての芯を持った強さを感じます。度々ジェンダーマイノリティでの話題で名前が上がることの多いHunter。インクルーシブな価値観が進むこれから、ファッション業界のみならず社会的に活躍の幅を広げる彼女に今後も注目です。

Writer: Yuca