2010年代後半ごろからファッション業界でも注目されることとなったリアルサイズ・プラスサイズモデルたち。特に2020年シーズンのファッションショーでの活躍はファッション史の転換点とも言えます。そんななか先月行われた2024秋冬シーズンのショーでのプラスサイズモデルたちの起用が下り坂に。「サイズゼロ時代」へ戻ろうとするファッション業界に逆らい今シーズンも活躍を見せたオランダ人カーヴィーモデル、Jill Kortleveにフォーカスしていきます。

ファッション業界の前線へリアルサイズモデルが登場

パリファッションウィークにて行われたAlexander McQueenの2019春夏コレクションにてJillは初めてランウェイを歩くことに。フランス女性の一般的な服のサイズ40と同じものを着こなすリアルサイズモデル、Jillは一躍視線を集めることに。この年から同ブランドの専属モデルにも起用されます。

カーヴィーモデルとしての躍進

Alexander McQueenでの衝撃ののち、JillはSimone Rocha、MICHAEL KORS、PRABAL GURUNG、kate spadeなどのブランドのショーにて登場。一時は平均モデルのサイズに近づこうと苦悩したJill、ありのままの自分で表現していくことを決意してからの活躍はファッション業界へ変化をもたらしました。

中でも一際注目を集めたのは2020年に行われたCHANELのコレクションです。JillはカーヴィーモデルとしてCHANELのランウェイを歩いた初のモデルとして現れます。その後何度も同ブランドのショーに登場。リアルサイズ・プラスサイズモデルの起用が減った今シーズンにおいてもCHANELの2024リゾートコレクションにて活躍を見せました。

SNSではラフなプライベートを発信

Jilはボディポジティブの意識が高まる以前よりモデル活動をしてきた人のひとり。規定内に統一されたモデルたちと同様の体型に近づくための過度な食事制限を行っていたことも。辛い時期を乗り越えたからこそ、誰もがありのままの姿を愛せるよう発信し続けています。そんなJillのInstagramでは友人やパートナーとのプライベートなショットを多く投稿し親しみやすい印象。自分の体型や生き方について他人の目を気にする必要はないというJillらしいマインドが伝わってきます。

Writer: Yuca