ベルリンからコーデスナップニュースにレポートしているYucaです。

いまファッショントレンドもSDGsがビッグワード。特に環境意識の高いヨーロッパ市場では、SDGsなデザインなデザインやブランドコンセプトは、ファンを作るのに、いまやマストな要件になっています。今年開催されたベルリンファッションウィークでも、その傾向はくっきり。

今回はその中でも、所属するブランドの約40%がアップサイクルデザイナー達で構成されたファッション&デザインスタジオ「Studio 183」によるアップサイクルエキシビジョン「500KG CO2」についてレポートして、いまのSDGsファッショントレンドを垣間見たいと思います。

ファッションと環境問題

この展示だけでなくファッションウィークでのショーやイベント、エキシビジョンにて環境問題をテーマに作品作りをするデザイナーは増えています。ものづくりに関わるデザイナーやアーティストたちにとって、制作で出る廃棄物については解決しなければならない大きな問題の一つです。Studio 183は今回、そんな問題解決の一つとしてアップサイクルをテーマにエキシビジョンを開催しました。

co-creationコレクション

こちらはデジタルファッション・アップサイクリングデザイナーのManon Beretti Prenantによるコレクション展示です。5人のインフルエンサー達のプレラブドクローズを新しい服へと作り替えた作品。プレラブドとはpre-loved(前に愛されていた)の意、つまり誰かが大事に着ていたセカンドハンズクローズの別称のことです。それぞれの服にはそれぞれの物語を持っています。5人のインフルエンサー達の好みや体型、スタイル、テキスタイルの相性などを考え、Manonはそれぞれのルックへと生まれ変わらせました。

コレクション展示の隣にある体験スペース。ここではそれぞれのルックのテンプレートデータに、会場内にあるプレラブドクローズを組み合わせてバーチャル上で実際に服を作る体験ができました。左右にあるラックから好きなテクスチャー・柄を考えながら3、4着選びタブレットで写真を撮ります。

こちらが友人が実際に体験し出来上がった一着。今回の展示では完成したルックのデータをメールに送ってもらうことができます。将来的にはバーチャル・フィジカル共に販売できるようにしたいそう。

サステナブル素材のスニーカー

Felipe Fialloによるバイオグロウン素材を用いて3Dプリンターで出力されたスニーカーのコレクションです。彼はサステナブルをテーマにしたスニーカーブランドを持っており、昨年はバーチャル内でのファッションショーにてサステナブルスニーカーのコレクション発表を行いました。

ManonとFelipeのコレクションは「500KG CO2」の展示会場内にあるVR STATIONのバーチャルランウェイでも見ることができました。

仮想空間での作品発表という形は今回のファッションウィークに限らず近年よく目にするようになってきています。また大きなブランドはフィジカルな場で発表できるけど小さなブランドは露出の機会が少ない、というようなインディーズやメジャーという枠にとらわれず、方法の一つとして仮想空間内での表現が確立されつつあるように感じます。

Writer: Yuca