豪華ゲストの登場や元祖スーパーモデルのカムバック、SNSをバズらせるようなコラボレーションなど、毎回ゲストにサプライズを与えてくれる世界4大ファッションウィーク。ここでは、昨年9〜10月にかけて行われたファッションウィークにて発表された2024年春夏コレクションの中で印象深いランウェイをピックアップしてお届けします。今回は、ガブリエル・ハーストによるラストショーとなった「クロエ(Chloé)」。

陽気な雰囲気で締めくくられた「植物」にインスパイアされたロマンティックなコレクション

2023年9月28日、セーヌ川沿いを舞台に行われたクロエの2024春夏コレクション。3年間クロエを牽引してきたクリエイティブディレクター、ガブリエラ・ハーストによるラストショーとなった。ガブリエラ・ハーストは、これまでファッションを通して社会的責任や環境保護を強く訴えてきた1人で、今回のテーマは「環境擁護の一形態としての個人の行動力」だという。

花びらが重なったかのような優美なドレス

植物からインスピレーションを受けたという今回のコレクション。オープニングに登場した華麗なティアードドレスは、まるで可憐な花びらがいくつも重なりあったようなエレガントでダイナミックなデザイン。さらにウエストサイドに施された優美な曲線のカッティングも印象的です。

曲線美が目を引くバルーンスリーブドレス

イノセントなホワイトのドレスは、柔らかな曲線美で描かれたドレープデザインが特徴です。洗練さの中にもバルーンスリーブのワンショルダーでロマンティックな雰囲気が漂います。

辛口レザーはマーガレットのエンボス加工でフェミニン

ブラックレザーのワンピースの上部には、デイジーの花を思わせるエンボス加工が施され、ハードなレザーをフェミニンな雰囲気に昇華していました。そのほか、花びらをイメージしたラッフルやフラワーモチーフのアクセサリーなど、ロマンティックな雰囲気を添えてくれるアイテムが多くみられました。

アクティビストとして活動するモデルたちも

プラスサイズモデルとして活躍するパロマ・エルセッサー(左)やクロエのキャンペーンモデルも務めるデヴィン・ガルシア(中)、さらにモデルでありメンタルヘルス活動家でもあるアジョワ・アボワー(右)がランウェイに登場し、圧巻のウォーキングで魅了しました。

サンバの陽気なムードに包まれたフィナーレ

フィナーレには、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロにあるサンバスクール「マンゲイラ」のダンサーたちがクロエの特注衣装を身につけサンバを披露しました。

モデルやクリエイティブ・ディレクターのガブリエラ・ハーストもダンスに参加し、会場はまるでリオのカーニバルのような賑やかな雰囲気に包まれました。「マンゲイラ」はサンバの世界で、スクールに女性を歓迎した最初の学校であり、クロエの掲げる「Women Forward(女性の前進)」を体現しています。本コレクションでクリエイティブ・ディレクターを退任するガブリエラ・ハーストの集大成とも思われる力強く賑やかな雰囲気のまま終止符を打ちました。

ケリー・ローランドなど、豪華ゲストが勢揃い!

随所にフェミニンなレースデザイン施されたブラックドレスを着こなすのは、イギリスの俳優、ヴァネッサ・カービー。レースから透ける素肌がヘルシーでなんだかアンニュイ。ブラックドレスに映えるクロエのアイコンバッグ、ペネロペもインパクト大。

R&Bシンガーのケリー・ローランドは、レザーのパッチワークデザインが特徴のマキシドレスを着用。フレアタイプのフェミニンなドレスは、エッジーなサングラスをオンして辛口に仕上げるのがグッド!

軽やかなシフォン素材のドレスを着こなしたのは俳優、監督、プロデューサーとして活躍するイッサ・レイ。ガーリーな素材もブラック&ホワイトならシックな雰囲気に。ベルトでウエストマークすることでコーデにメリハリが出てバランスよく着こなせます。

Senior Writer:H_aco