日本から世界に飛び立ち、ご自身の「スキ」なライフスタイルを実現している日本人女性にフォーカス。今回、編集部スタッフはファッションの都・パリに渡り、この地でファッションを仕事にする日本人ライターにインタビュー。パリ在住ライターのRieさんは日本での化粧品メーカー勤務を経て、フランスに移住。現在はライターとしてフランスの美容やファッションにまつわる情報を発信しています。また、パリ・ファッションウィーク期間には日本ブランドのプロモーションを手伝うなど、日本のよいものをパリに発信する活動にも尽力しています。

パリに移住したばかりのころに「暇つぶし」として続けていたSNSでの活動が、現在に繋がっていると語るRieさん。そんな彼女にパリでの生活や美容について、たっぷり聞いてみました。

パリに来たきっかけ

画像: パリに来たきっかけ

Rieさんがパリに渡ったのは2020年。ワーキングホリデー・ビザ制度を利用して1年間のパリ生活を試してみようと思ったことが、移住のきっかけだといいます。

Rieさん「ちょうど30代になる頃で、将来のことを考えていたのです。新卒で入社した化粧品メーカーで総合職として忙しく働いていた20代を経て、転職の可能性を考えているタイミングでもありました。そんなときに海外に行くのもアリかもしれないと思ったのです。会社員時代の研修で大阪に半年間住んだ経験をのぞくと、今まで東京から出たことさえありませんでした。」

それまで留学も海外生活の経験もなかったというRieさん。あいにく2020年はコロナが世界的に広まった年でもありました。ヨーロッパ各地で外出行動を制限する処置が取られ、Rieさんがいるフランスにも厳しい行動制限が出ました。それでも「フランスに渡ったのは、いろんなことを試したかったからです。自分が海外暮らしのできるタイプなのか、パリという街は自分に合うのか、当時付き合っていた現在の夫であるフランス人の彼との関係はうまくいくのかなど・・。最初の3ヶ月間は語学学校に通うつもりでしたが、学校が始まって2週間ですぐにロックダウンがはじまり、何もわからない状態でフランスに留まることになりました。」

特殊な状況下で1年間を過ごしたRieさん。パリでの生活が「案外、大丈夫」だったことが移住の決め手となり、2022年にフランス人のパートナーと正式に家族となり、パリに本移住しました。

Rieさん「『パリ症候群』※という言葉もあるくらいですから、パリに移住する人のなかには『フランスが大好き』『パリが大好き』という人も多いと思うのですが、私はそういうわけではありませんでした。何も期待していなかったし、パリに行ったらいきなりよいことが起こるとも思っていなかった。今思うと、現実と比べる理想を持ってなかったからこそ『パリで暮らしていけそうだな』と思えたのかもしれませんね。」※パリ症候群・・パリに対して憧れを持って渡仏した外国人が、実際のパリでの生活に適応できずに精神的なバランスを崩す、不適応反応のひとつ。

東京で育ったRieさんにとって、パリでの生活はまったくの新生活。知り合いもいないなか「暇つぶし」としてSNSでコスメ情報の発信を始めました。

美容は癒しであり救い

画像: 美容は癒しであり救い

子どもの頃からずっと本を読んでいたというRieさん。本のなかから人々の気持ちを読み解くことに興味を持つようになったといいます。大学は文学部へ進学し、ジェンダー文学を専攻。そして「女性が前向きになる環境を提供する仕事に就きたい」と考えるようになったことが、美容業界に携わるきっかけになったそう。

Rieさん「私はオタク気質があるというか、ちょっとこじらせ系?で(笑)。物事を発展させて考えるところがあります。あるときに『女の人って気にするべきことが多いな』と、ふと感じたのです。本人の意思とは関係なく外的要素や体の変化によって、女の人たちはアイデンティティの捉え方が変えられていくような気がしたから。そして、女の人がちょっとでもよい気分になったり、前向きになれるのってどんなことだろうと考えるようになりました。」

「就活のときにも、日常のなかで女性の気持ちがちょっと落ちそうになったとき、前向きになるサポートができるような仕事に就きたいと考えていました。それができるのは美容かなと思って化粧品メーカーに。『美容で女の人は変わる』ということは私の実体験でもあります。女手ひとつで私と兄を育ててくれた母はずっと手入れが楽なショートヘアだったのですが、毎月私の会社に呼んで、ヘアカラーとトリートメントを受けてもらうようにしてからみるみる変わりました。若返るというか、心持ちが本当に明るく、前向きになったのです。私自身も『爪が赤で可愛い!』とか『髪の毛がさらさらで嬉しい!』とか、ちょっとしたことで前向きな気持ちが作られていると思うし・・。美容には私の求めている癒しや救いがあるのです。そう思うと今こうしてライター活動をしているのも、当時考えていたことに繋がっているのかもしれないですね。一途なんです(笑)。」

Rieさんのスキンケア事情

画像: Rieさんのスキンケア事情

Rieさんにフランスコスメ事情やご自身のこだわりについて教えてもらいました。

Rieさん「私はストレスが肌に出るタイプ。根詰めて勉強しているときや忙しいときはすぐに肌に出ます。だからこそ、肌荒れしているときにも安心して使えるコスメが好きです。実はSNSで発信しているもののほかにも、さらに多くのものを試しています。大切にしていることは、身近な人からの口コミ。自分の周りにいる人に『何使ってる?』と尋ねたり、信頼しているショップの店員さんに商品のことを教えてもらっています。パリにもコスメキッチンのようなオーガニックコスメ専門のお店がたくさんあるので、そういうお店の店員さんに聞いてみるといろいろ教えてくれるので、そういうリアルな情報を大切にしていますね。」

Rieさん「フランスコスメに興味を持っている人にオススメしたいアイテムはジョンザック(JONZAC)という温泉水コスメメーカーの化粧水。温泉水コスメといえばラ・ロッシュ・ポゼやアヴェンヌが有名ですが、ジョンザックもよいですよ。私の場合、肌荒れしている時にも使えたし『使ってみたらハマる!』といいたい、安定感のあるアイテムです。」

パリで見つけたスタイル

画像1: パリで見つけたスタイル

美容のほかにもパリでのライフスタイル、ファッションにまつわる情報も発信しているRieさんにパリでのコーディネートを二着、紹介してもらいました。一着目は華やかでシックな印象のパンツスタイル。

Rieさん「ジャケットはイヴ・サン・ローラン(現サン・ローラン)のヴィンテージ、Tシャツは毎年買い換えるほど私の定番である・COSの白T、パンツは去年購入したユニクロ。スカーフはエルメス、ベルトはフェラガモ、ローファーはシャネルのものです。ジュエリーはカルティエのトリニティー、それ以外のものはすべて日本のhumです。パリでもよく褒められます!」

東京に住んでいたときは赤リップとルブタンがトレードマークで、体のラインが見える、ピタッとしたアイテムを身につけることが多かったというRieさん。しかしパリにはパリらしい服装があるのだと感じ、次第に取り入れるアイテムが変わっていったといいます。

Rieさん「パリって結構汚れているところが少なくありません。それにセーヌ河沿いや公園のベンチに座ったり、屋外で時間を過ごす機会も多いですね。そんなときに気兼ねなく穿ける、このユニクロのパンツはお気に入りです。実はこれ、以前の私には『ありえない』格好。東京では休日でもルブタンの12センチのピンヒールを履くような暮らしをしていたのですが、それはパリでは現実的ではないですね。東京のように綺麗に舗装されている道ばかりではないし、何より安全上、スリから身を守るためにも明らかにラグジュアリーだとわかるようなものは身につけなくなりました。」

画像2: パリで見つけたスタイル

Rieさん「当初は自分の大切なアイデンティティを失ったような気がしていたけれど、やっと最近になって体の線が出ないパンツを履くこと、ローファーやスニーカーのようなヒールのない靴を穿くことも『いいんだ!』と受け入れられるようになりました。タイムレスでカジュアルなパリ的スタイルに慣れていったのだと思います。靴に関していうと、パリに来てからシャネルを3足買いました。ロゴの黒ローファーとゴールドのローファー、キラキラのブーツです。シャネルの靴はパリの道でも歩きやすいし、私の持っている3足はよく見ないとシャネルだとはわからないので、日常でも安心して穿けます。かつてルブタン派だった私にはこれまで縁がなかったのですが『シャネルって、パリの子だったんだ!』というおもしろい発見がありました。」

画像3: パリで見つけたスタイル

二着目はミディ丈の軽やかなワンピースにデニムジャケットを羽織ったスタイル。

Rieさん「ワンピースはパリのブランド・ルージュ(Rouje)、デニムジャケットは友人にもらったものです。一着目につづき、これも以前の私には『信じられない』格好です!ミディ丈ワンピースって中途半端な気がしてこれまで着ることがなかったのですが、パリでは動きやすくて涼しいミディ丈が活躍します。デニムジャケットも『昔のモノ』というイメージがあって、日本では一度も着たことがなかったけれど、パリのスタイルにはいい意味で時が止まっているようなところがあります。タイムレスなスタイルをしている人が多いので、私もチャレンジすることができました。それでもまだ、自分的には少しコスプレ感覚なのですが・・(笑)。」

Rieさん「最近は実用的なものを着回したり、昔のワードローブをもういちど着てみるなんてことも多いです。パリにいると、新しいものを買い続けようという気持ちにはならないんですよね。私は気に入ったものはずっと長く着るタイプなので、その面ではもともとパリ的なかもしれません。ジュエリーも、その日の気分で使い分けるよりも本当に気に入ったものを常に身につけることが好きです。」

おわり

知り合いがほとんどいないなかで渡仏、現地でフランス語を習得し、ご自身の力でパリ生活の基盤を築いていったRieさん。「移住したとたんになにかよいことが舞い込むとは思っていなかった」と語るRieさんの言葉の裏を返すと、自分の置かれる状況は自分自身のみしか変えられないということなのかもしれません。

パリの美容、ライフスタイルを発信するRieさんのInstagramは2つ。どちらもRieさんのリアルな視点から見たパリを楽しめる大充実のコンテンツなので、気になった方は必ずチェックしてみて!

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https://www.instagram.com/rie_paris28/

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