【ODLYWORKSHOP】
今回フォーカスするのは、2018年に誕生したインディペンデントブランド【ODLYWORKSHOP(オドリーワークショップ)】。韓国ではファッション感度の高い層を中心にじわじわと支持を広げ、ソウル・聖水洞に構える路面店も好評を博しています。
日本でもスタイリストやコアなファッションラバーのあいだで名前が知られ始めている一方、日本語での情報はまだ限られているのが現状。だからこそ、いま押さえておきたいブランドのひとつなのです。彼らの協力のもと実現した独自インタビューを、秋冬のルックとともにお届けします。
(画像提供:ODLYWORKSHOP)
ブランドプロフィール
ロンドン留学中だったデザイナーのイム・ドンユンとイ・スンミによって2018年にスタートしたブランド。日常着をベースに、遊び心のあるひねりを加えたデザインを得意とする。
デザイナーブランドの堅苦しさから距離を取り、既存の価値観やルールに疑問を投げかけるODLYWORKSHOP。そのクリエイションは、「オッド(奇妙さ)」を肯定し、ユニークさや常識にとらわれない美しさを再定義する姿勢に貫かれている。この思想はすべてのコレクションに自然に織り込まれており、“オッド”を楽しむことこそがスタイルの本質である、というメッセージを体現している。(公式サイトより)
購入・アクセス情報
Website:https://odlyworkshop.com/
Instagram:https://www.instagram.com/odlyworkshop/
路面店(韓国):ソウル特別市 城東区 延武場1キル 16
日本国内では各種ECサイトにて購入可能。
2025 SEASON 2 コレクションをチェック
日常や現実を出発点に、少しの違和感を織り込みながら、実際に着ることを前提とした服づくりを続けてきたODLYWORKSHOP。通算14回目となるカプセルコレクションから、今季の空気感が伝わるアイテムを4点ピックアップしました。
Layered Trousers
(画像提供:ODLYWORKSHOP)
カーゴパンツにスカートが組み合わされた、レイヤードデザインのボトムス。スカートの裾とパンツの裾の紐を調節することで、様々なシルエットをつくることができます。ワイドなシルエットでストリート感がありつつも、モードな表情を見せてくれるアイテム。
Padded Quad Bomber Jacket
(画像提供:ODLYWORKSHOP)
立体裁断のボマージャケット。全体的にはコンパクトなシルエットながら、アームホールはクラシックに倣ったゆとりのあるつくりに。たくさん着込んでも着膨れせず、冬のファッションを楽しめます。
Layered Scoop Tee
(画像提供:ODLYWORKSHOP)
ロンTにタンクトップを重ねたようなつくりが特徴のロングスリーブ。肩紐が固定されていないため、様々な着こなしにアレンジ可能です。肩周りを華奢に見せる効果も。
Canvas Reversible Crossbody Bag
(画像提供:ODLYWORKSHOP)
ミレニアル世代にはどこか懐かしい、キャンバス素材のショルダーバッグを再解釈。斜めがけでも肩がけでも使える2Way仕様で、リバーシブルになっているのも嬉しい。一度で二度美味しいバッグです。
デザイナーにインタビュー
ODLYWORKSHOPをもう少し深掘り。デザイナーのイム・ドンユンさんとイ・スンミさんへのインタビューから、ブランドを形づくる4つの視点を紐解きます。
キーワード1:物語の出発点
「ODLYWORKSHOPでは、毎シーズンひとつの物語を設定し、そのストーリーを服や映像、ルックブックなどすべてのコンテンツに落とし込むという方法を一貫して続けてきました。物語は常に自分たち自身や身の回りから生まれ、日々の生活や感情、環境が自然と反映されています。時間の経過とともにテーマや表現方法は変化しても『今の自分たち』を起点に物語を紡ぐ姿勢は変わりません。
留学を終えてブランドを立ち上げた時期から、恋人から夫婦へ、そして親になるまでの過程、オフィスの拡張とともにチームが増え、感情や責任のあり方が変化していったこと。こうした個人的で現実的な経験が、常にコレクションの出発点となってきました。ODLYWORKSHOPの創作は、言うなれば人生の流れを記録する行為。積み重ねてきた時間が、ブランド独自の世界観を形づくっています」
キーワード2:Oddness(奇妙さ)
「OddnessはODLYWORKSHOPの大切な価値観ですが、特定の個人の個性に由来するものではありません。私たちは、ODLYWORKSHOPを単一の視点でつくられるブランドではなく、この空間で共に働くすべてのメンバーの感覚やアティチュードが積み重なって完成していくものだと考えています。それぞれ異なる背景や性向を持つチームメンバーが、それぞれの『独特さ』を持っていて、その違いをひとつの一貫したストーリーの中で調和させていく。そのプロセスのなかで、意図的につくられたものではない、微妙なズレや緊張感が自然と立ち上がってきます。
この姿勢は服づくりにとどまらず、アイテムのネーミングや映像、写真、オフィスの雰囲気に至るまで、ブランドを構成するすべてに共通しています。Oddnessは単なるスタイルではなく、私たちの働き方や思考そのものから生まれているものだと考えています」
キーワード3:「着ること」への誠実さ
「衣服は日常生活と最も密接に関わる存在だからこそ『実際に着られること』を何よりも大切にしています。制作の際には常に、アイデアと日常の中間地点を探り続けています。ユーモアや実験的な要素が機能性を過度に圧倒しないように、同時に日常性のためにコンセプトを犠牲にしないよう、シルエットや素材、着心地を細かく調整しています」
キーワード4:境界づけられないフォルム
ルックの随所に、ジェンダーにとらわれない美意識が感じられるODLYWORKSHOP。その理由を尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「ファウンダーの一人であるイム・ドンユンは男性ですが、女性服を専攻しており、そのバックグラウンドがデザイン全体に反映されています。女性服を基盤とした構造やシルエットに、女性の身体を直接体験していない男性デザイナーの視点が重なることで、明確に境界づけられないフォルムが生まれました。ジェンダーに対するメッセージを先に定めるのではなく、その時々に自然と生まれる表現を尊重する。その流れこそが、今のODLYWORKSHOPを形づくっているのだと考えています」
Senior Writer:Yuko.K