幼い頃からファッション好きだから、アパレル業界へ就職
――2人がファッションに興味を持ったきっかけは?
渡辺さん 2、3歳ぐらいから「あれが着たい」とか「これは嫌だ」とか、こだわって洋服を選んでいました。小さい頃は特にチャイナ服とチャイナシューズが大好きで、その名残か今もビーズや刺しゅうが変わらず好きですね。
山田さん 通っていた幼稚園に遊び道具みたいな感じでコスチュームがありました。フリフリのドレスからカウボーイみたいなやんちゃな衣装まで、いろんなバリエーションがあって、それを着るのがすごく楽しかったです。小学生になると、雑誌『ニコ☆プチと』を熱心に読むようになりました。ヒップホップダンスを習っていたのでストリート系ファッションに目覚めつつ、高校生になると『Seventeen』に掲載されている洋服も可愛いなぁ、って。
渡辺さん 誰がモデルしている時代?
山田さん 三吉彩花ちゃんですね。当時は『Seventeen』に限らず、いろいろなファッション誌を読み漁っていました。
渡辺さん 私は北川景子さんがモデルをしていた時代の『Seventeen』。青文字系が好きだったので『SEDA』『mini』『FUDGE』をよく読んでいました。
――アパレル業界に就職するまで、どういう道を歩んできましたか?
山田さん 大学は経営学部に進学したのですが、お洋服に携わりたいな、と学生時代は【ユニクロ】でバイトしていました。アパレルに絞って就活し、数社アパレル企業を受ける中で【アーバンリサーチ】がいいなって思ったんです。
渡辺さん どういうところが?
山田さん 最終面接の時にプレスルームで展示会を開催していて、すごく華やかだなぁって感動したんです。それで2020年に入社しました。
渡辺さん 大学では法学部で学んでいたものの、雑誌が好きだったので就活では出版社を受けたりもしました。でも最終的には洋服に関わる仕事がいいと、新卒で他社のレディスブランドのショップスタッフとして働いていました。ショップスタッフ以外も経験したいと、アパレルのECサイトを運営する企業に転職しましたが、やっぱりお客様と接することのできる販売の方が好きだな、と。再びショップスタッフとしての転職活動を開始。2016年に【アーバンリサーチ】の銀座店がオープンしたタイミングで中途入社しました。
仕事で落ち込んだ時は推し活と岩盤浴でリフレッシュ
――販売員の醍醐味や楽しさはどこですか?
渡辺さん 売り上げという目標に向かい、数字で成果がわかるところにやりがいを感じます。お客様のお役に立ちたいという思いが原動力になっていますね。最初は全然喋ってくださらなかったお客様が最後に笑顔を見せてくれるとすごく嬉しいですし、気分が落ち込んでいる時もお客様とお話すると一気に回復します。
――【アーバンリサーチ】のファンを増やすため努力していることを教えてください。
渡辺さん 顔を覚えるのが得意なので、リピーターの方には「先日お買い上げいただきましたよね」とか「この商品で悩まれていましたよね」とお伝えしています。そうすると「ちゃんと見てくれている」と思ってくださるお客様からの反応がよくなりますね。
ーーどんな時に接客の難しさを感じますか?
山田さん 初対面の人と話すのがあまり得意ではないうえ、入社した2020年はコロナ禍が始まった時期でした。マスクで表情がわかりづらいと、お客様の気持ちがわかりにくくて。年上のお客さまを接客することも多く、どういう距離感やトーンで話したらいいのか。自分に自信がなかったから積極的に接客できなくて、うまくいかない葛藤はありました。
――うまく接客するためにしたことはありますか?
山田さん 最初のお声掛けが大事なので、フレーズを決めました。変わった形の洋服なら「デザイン性のある形で〜」とか、商品の特徴をお伝えする、と定めたら緊張感がほぐれました。接客したお客様の人数が増えていくと、こちらのお客様にはこういう風に言ったらいいかなとか、なんとなく掴めてきたようになった気がします。
――仕事で落ち込むことはありますか?
山田さん もちろん。言いたいことがうまく伝わらなかった時は、ああ言えばよかったのかなとか、私の言い方が多分わかりづらかったなって。
――落ち込んだ時のモチベーションアップ方法を教えてください。
山田さん 岩盤浴に行ってリフレッシュですね。
渡辺さん 友達や仕事仲間とおしゃべりしたりとか。あとは推し活! K−POPグループのSEVENTEENが好きで、昨日も推し活仲間とCDショップに行ってたくさん買ってきました(笑)。
フォロワー数増加にVMDと、接客以外にも積極的に取り組みたい
――渡辺さんはコロナの時、どう仕事に取り組んでいましたか?
渡辺さん 営業ができなかった時期は週に1、2回お店に来て自社のオンラインとWEARに投稿するスタイリング用の写真を撮影していました。お客様は実物に触れられないので、写真に添える文章はいつもかなり悩みますね。触り心地とか着心地を普段の接客以上に詳しく文章で伝えるようにしています。今はオンラインに投稿したスタイリング写真をきっかけに来店される方が増え、スタイリング投稿も接客ツールの一つになっています。
――【アーバンリサーチ】では2024年春から、社内で「インフルエンサープロジェクト」を始めていますよね。
渡辺さん instagramで月に4回商品紹介するのが主で、あとは自由に各スタッフの個性を出した投稿をしています。
――洋服に関わることは同じだけど、スタイリング投稿は1つメディアというフィルターが入るのでこれまでの接客とは少し勝手が違いますよね。
渡辺さん 自分が可愛いと思ったアイテムでも画面を通してみると、どう見えるんだろう、といまだによくわからない部分がありますね。
山田さん 私はいろんな系統の洋服を着るので、統一感のないアカウントになっているんですよね。だから私のキャラクターが伝わりづらいんじゃないかなって。
渡辺さん いろんなテイストが好きな人なんだって思われてもよくない?
山田さん そうなんですかねぇ。どう自分を出せばいいのか、色々考えてしまうので。
渡辺さん 写真の撮り方も悩むよね。いつもお互いを撮影しているけど、どう撮っていいのか、いつも2人でいろいろ試しています。
山田さん ただ知らない人よりは仕事仲間に撮影してもらった方が自然な笑顔になる気がしますね。
――今後の目標を教えてください。
渡辺さん もっと接客を頑張ってお客様を増やしたいのと、会社もSNSにはすごく力を入れているのでフォロワー獲得を頑張りたいです。
山田さん 接客はもちろん、興味があるVMDも学んでいきたいです。今もぱっと見て可愛いと思えるディスプレイにしたりとか、目を引くコーディネートを組んだりとか店内の一部VMDを担当しているんですよ。今後はそこも頑張っていきたいですね。
※価格はすべて税込みです
Photograph:川本史織