ファッションやクリエイティブの世界で働く人たちは、どんな休日を過ごしている?
本企画では、休日コーデやお気に入りの場所、最近ハマっていることなど、“おしゃれ人”のオフ時間をのぞき見。
今回登場するのは、WALTS主宰のメイクアップアーティスト・yoshinkoさん。全国を巡る“旅するメイクレッスン”を行い、服やメイクを通して多くの人の魅力を引き出しています。

顔以外に、“心も体も”軽やかに整えるメイクを

ーーyoshinkoさんのお仕事について教えてください。

ヘアメイクを始めて、もう33年ほどになります。もともとは徳島で活動していました。実は、最初からヘアメイクを仕事にしようと思っていたわけではないんです。

10代の頃は音楽をやっていて、19歳のときにギター一本を持って東京に出てきました。その後、26歳で徳島に戻り、カメラマンだった元夫と一緒に写真館の仕事に関わるようになったんです。

当時、成人式などの写真を見て「もっとおしゃれに残せたらいいのに」と思って。友人をメイクして、スタイリングして、写真を撮るようになったら、口コミでどんどん広がっていきました。

だから、最初から「ヘアメイクになる」と決めていたというより、みんなから求められることを続けていたら、仕事になっていった感じです。

ーー最近は、どんなお仕事が多いですか?

ブライダルのヘアメイクも多いですし、最近は40代以降の女性に向けたメイクレッスンにも力を入れています。

ブライダルの現場にいると、花嫁さんのお母さま世代が自分と同世代だったり、自分より年下だったりすることも増えてきました。そのときに、「同世代の女性たちをもっときれいにしたい」と思うようになったんです。

メイクレッスンに来る方は、40代以上の方が多いです。20代の頃のメイクのままで、今どうしたらいいかわからないという方も多くて。そこで、その人に合うメイクの仕方を伝えています。

都内では、スキンケア、ベースメイク、アイメイク、眉、トータルメイクを学べる5回コースのメイク教室も始めました。自分でメイクができるようになった先に、洋服選びまでサポートできたらいいなと思っています。

ーーyoshinkoさんにとって、美容とは?

私は「トータルビューティー」という言葉は、ちょっとかっこよすぎてあまり好きではないんです。

私にとって美容とは、“人生を整える”感じ。

メイクだけではなく、姿勢や体の使い方、食べ物、腸内環境のことも大事だと思っています。年齢を重ねると、どうしても姿勢が前のめりになって、そこから顔の印象にも影響してくるんです。だから、顔だけを触るのではなく、体から整えることも伝えています。

目的は、毎日をハッピーに過ごしてもらうこと。一日だけキレイになるのではなく、日々の中で自分を気持ちよく整えていけたらいいなと思っています。

yoshinkoさんの休日は「予定がなくても外に出る」

ーー休日はどんなふうに過ごすことが多いですか?

健康オタクなので、マッサージに行ったり、歩いたりすることが多いです。ジムやピラティスにも行ったことはあるんですけど、あまり続かなくて。私には歩くことが一番合っているみたいです。歩くのは気持ちいいし、体への負担も少ない。帰ってきたらストレッチもします。

じっとしていられないタイプなので、予定がなくても外に出ます。気になっていたカフェに行ったり、近所で食事をしたり、ふらっと歩いたり。ひとりで過ごす時間も好きです。

ーー休日の朝のルーティンはありますか?

朝起きたら、まず水を飲みます。そのあとプロテインを飲む。朝いちばんに体へ入るものは吸収されやすいので、最初にタンパク質を入れるようにしています。

そのあと、歯磨き、洗顔、スキンケア、メイク。スキンケアは、私にとって歯磨きみたいなもの。毎日するものだから、めんどくさいことも習慣にしてしまえばいい。そうすると、自然と続けられるんです。

ーー何も予定がない日もメイクをしますか?

します。私の中では、「何もない日」というのがあまりないんです。外に出るし、誰かに会うかもしれないし、それ以上に、自分が気持ちよく過ごしたいから。

ボサボサのままコンビニに行った日に限って誰かに会う、みたいなことってあるじゃないですか(笑)。そういう経験もありますけど、誰かのためというより、自分の気持ちをシャキッとさせるためにメイクをします。

メイク自体は早くて、10分くらい。むしろスキンケアのほうに時間をかけています。

yoshinkoさんがプロデュースする自然由来成分100%コスメ「YSK(ワイエスアンドコー)」

ーー休日コーデで意識していることは?

仕事では黒を着ることが多いので、休日はなるべく白っぽいものや明るい色を選ぶことが多いです。黒だと、自分が重くなっちゃう感じがして。

色物はあまり持っていなくて、白、黒、グレー、ベージュが中心です。でも、小物でピンクを入れたり、ネイルで赤や明るいピンクを入れたりします。

ネイルは私にとってすごく大事。指先って、自分が一番見る場所なんですよね。顔はメイクしても自分では見えないけど、手元はいつも視界に入る。赤を見るだけで、ちょっとスイッチが入ります。色には、やっぱりそういう作用があると思います。

私は色と香りをすごく大事にしていて、ネイルも以前ベージュにしたことがあるんですけど、全然ピンとこなかったんです。だから私にとっては、赤や明るいピンクが気持ちのスイッチ。休日の装いにも、自分をごきげんにする色をどこかに入れるようにしています。

ーー休日によく行く場所はありますか?

温泉が好きなので、時間があればお風呂に行きます。おすすめは、箱根にある「天山湯治郷」。自然の中にいて、自分がお猿さんになったような気分になるんです(笑)。ごはんもおいしいし、体も気持ちもゆるみます。

地方でメイクレッスンをするときも、温泉に連れて行ってもらったり、おいしいごはんを食べたりするのが楽しみのひとつ。旅するメイクレッスンの醍醐味ですね。

ーーバッグの中に必ず入っているものは?

休日の外出に欠かせないのが、サングラスと帽子。サングラスはたくさん持っていて、その日の服に合わせて選ぶのも楽しみのひとつです。

歩くときは、帽子とサングラスが定番。キャップや麦わら帽子を合わせたり、肌寒いときにさっと羽織れるコートを持ち歩いたりと、外で気持ちよく過ごすためのアイテムも欠かせません。

紙の手帳、ハンカチ、リップ、目薬、ハンドクリーム。あとは低血糖なので、チョコレートも持っています。

スケジュールは紙派です。スマホにも入れていますが、スマホをなくしたら怖いので。手帳はなくさないんですけど、スマホは「あれ、ない」と思ったら手に持っていた、みたいなことがあります(笑)。

あと、猫のお守りをいつもポケットに入れています。「天山湯治郷」の売店で見つけたものなんですけど、音が猫っぽくてかわいいんです。歩くとチャラチャラ鳴るので、まわりの人からは「yoshinkoさんが来た」ってわかるみたいです(笑)。

あとは、自分でデザインしたジュエリーもお守りのようにつけています。ダイヤの原石が入っていて、フランス語で愛の言葉が刻まれているものです。

ーー最近ハマっていることは?

今いちばん夢中なのは、全国を巡る“旅するメイクレッスン”。

旅をして、まだ出会ったことのない人に会って、お話をして、メイクを通してその人が変わっていく。その瞬間が、めっちゃ面白いんです。「あ、なんか元気を届けられているな」って感じがします。

地方によって食事の味つけも違うし、土地の空気も違う。そういう出会いも含めて楽しいですね。神社も好きなので、出雲や伊勢にも行きたい。

ーー最近の休日で、特に幸せだった日は?

息子が誕生日をサプライズで祝ってくれた日。絵を描いてくれて、手紙も添えてくれました。

アーティストの息子さんが書いた絵のエコバッグ

私は、何気ないことや、さりげない優しさをもらったときに、すごく幸せだなと思うんです。何か特別なものを与えてもらったから幸せというより、自分でその幸せに気づけることが大事。

ごはんをおいしく食べられることも、誰かの優しさに触れることも、小さな幸せの積み重ねですよね。今が幸せじゃないと、未来も幸せじゃないと思っているので、今を大事にしています。

ーーyoshinkoさんにとって、休日とは?

普段も休日も、自分に優しくしてあげることが大事だと思っています。休日は特に、「今日、何したい?」って自分に聞きます。

映画が観たいと思ったら観るし、温泉に行きたいと思ったら行く。ふっと湧いてきたことに素直に動くようにしています。

自分を後回しにするのが嫌なんです。だから、休日は自分の声をちゃんと聞いてあげる時間。自分に優しくする時間ですね。

ごはんをおいしく食べられることも、誰かの優しさに触れることも、小さな幸せの積み重ねですよね。今が幸せじゃないと、未来も幸せじゃないと思っているので、今を大事にしています。

悩みも「おもろいな」と思っちゃう

悩みも「おもろいな」と思っちゃいます。何かが起きたときに、「来た来た、これ初めての経験だな」と思うんです。

人は、経験したことがあることにはあまり悩まないですよね。経験していないことに対して悩む。だから、新しいことが起きたら、人生ゲームみたいな感覚で捉えています。

うまくいくときもあれば、二歩下がるときもある。それも含めて面白いなと思っています。

服を選ぶこと、メイクをすること、歩くこと、温泉に入ることーー。
yoshinkoさんの休日には、自分をごきげんにする小さな選択がいくつもありました。

「今日、何したい?」と自分に聞いてみる。
その問いかけが、忙しい日々の中で自分を取り戻すきっかけになるのかもしれません。