【ユニクロ(UNIQLO)】の「UNIQLO 古着プロジェクト」が注目されています。顧客から回収した衣料をリユース・リサイクルし、新しい価値を加えて再び顧客のもとに届けるサステナブルな循環型ビジネスモデルとしてはもちろん、2025年でブランド設立41年目を迎えた『ユニクロ』の長い歴史の中で販売されてきた膨大なワードローブのなかから、今ではもう販売されていない・あるいは完売やシーズンアウトで入手機会を逸した貴重なアーカイブウェアに出合えるかもしれない絶好のチャンスとして大人気なのです!

『ユニクロ』世田谷千歳台店(東京都世田谷区)の「UNIQLO 古着プロジェクト」販売スペース

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「UNIQLO 古着プロジェクト」とは?

「UNIQLO 古着プロジェクト」は、『ユニクロ』が推進する循環型社会への貢献を目指す取り組み「RE.UNIQLO(リユニクロ)」の一環。2001年にフリース回収をスタートしたのち、2006年に回収対象を全商品に拡大。回収された服は、状態・種類・素材によって難民キャンプや被災地など衣料支援を必要とする地へ届けられたり、服から服へのリサイクルとしてダウン商品に再生されたり、断熱材や防音材にリサイクル活用されたりしてきました。

『ユニクロ』2025年秋冬展示会にて掲示された「RE.UNIQLO」ロゴと説明パネル

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そして2023年10月に、自社の古着を、リーズナブルなプライスで自社店舗で販売するというきわめて実験的なポップアップストアを『ユニクロ』原宿店に期間限定でオープン。1984年にカジュアル衣料品店「ユニーク・クロージング・ウエアハウス(のちの『ユニクロ』)」の1号店が広島市に開店してから40年間にリリースされてきた貴重なアーカイブコレクションのなかから「まるで"宝探し”をするような感覚でお買い物が楽しめる!」と、おしゃれ好きな人々に大好評を博したのです。

「UNIQLO 古着プロジェクト」展開店舗

「UNIQLO 古着プロジェクト」は試験的な取り組みのため、2025年9月現在は下記3店舗にて古着を取り扱っています。今後、衣料品の回収状況によって販売店舗の拡大も検討していくそうなので、公式サイトやSNSで続報をチェックしてみてくださいね。

⚫︎『ユニクロ』世田谷千歳台店(東京都世田谷区千歳台3-20-1 カリーノ千歳台1階)
⚫︎『ユニクロ』天神店(福岡県福岡市中央区天神4-3-8 ミーナ天神 1・2階)
⚫︎『ユニクロ』前橋南インター店(群馬県前橋市亀里町2008)

「UNIQLO 古着プロジェクト」対象アイテムの特徴とプライスリスト

顧客が安心して着られるよう、「UNIQLO 古着プロジェクト」の古着はすべてきれいに洗濯ずみ! 回収した衣料から、もう一度服として着られるものを一点一点選別し、クリーニング専門企業とともに、素材に合わせてカスタマイズしたレシピで洗濯されています。販売アイテムと価格設定(予価)はおおむね下記のとおりです。

⚫︎アウター/¥1,290~¥4,990
⚫︎ニット/¥1,290
⚫︎ジーンズ・ロングパンツ/¥1,290
⚫︎シャツ(長袖)・フリース・スウェット/¥790
⚫︎Tシャツ(半袖)/¥790

「UNIQLO 古着プロジェクト」で狙い目の古着アイテム6選

「UNIQLO 古着プロジェクト」で販売されている古着でおすすめなのは、今ではもう終売してしまったシリーズの服や、旧ロゴ・タグのついている服、ウールやコットンなどの天然素材を用いた服などです。どれも平成時代に大量販売されたごく普通の普段着ですが、流行遅れかもしれない絶妙なデザインやシルエットの服でも、現行販売品にはない独自のオリジナリティあふれるムードを宿していて非常に魅力的! 服についているタグに注目しながら吟味してみてくださいね。

通称"オールドユニクロ”のアメカジムード服

1990年代後半~2004年ごろまで使用されていた旧ロゴのネームタグ、通称“紺タグ”がついたボタンダウンシャツやポロシャツ

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いちばん人気は、『ユニクロ』のブランドロゴが現行の赤 × 白のスクエアデザインに変更された2006年11月以前の旧ブランドロゴがタグについている、通称“オールドユニクロ”の服。現行商品よりもアメカジ色が強いのが特徴といえます。フリマサイトでは販売当時価格の約2〜3倍で取り引きされることもあるという人気っぷりなので、見つけたら要チェック!

"ユニバレ”厳禁時代のこだわりロゴタグ搭載アイテム

単なる量販店ポジションから脱却しようと、デザインや品質にこだわり、商品ごとにネームタグを変えるなどの試行錯誤を繰り返していたころに販売されていた2000年代のスウェットやシャツ

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長らく日常着の量販店として現在の地位を構築してきた『ユニクロ』ゆえの功罪といいますか、『ユニクロ』の服を着ていることがバレない(露呈しない)よう工夫してこっそり取り入れるのが吉とされていた、いわゆる“ユニバレ”しない服が歓迎された時代がありました。高級アメカジブランドのデザインに倣った本格派志向のタグや、素材も縫製も上質であることを表示したタグなどさまざまな種類の表示を見ていると、グローバルブランドとして進化を遂げるべくもがき続けてきた『ユニクロ』挑戦の歴史を体感することができて、思わず胸が熱くなります。もちろん洋服としてのクォリティはお墨つき!

【UJ】時代のデニムパンツ

オーセンティックなストレートシルエットや5ポケットデザインに加え、“UJ”オリジナルのフロントボタン、レザーパッチなど随所にこだわりが見られる「UJ」時代のデニムパンツ

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¥2,990という破格値とクォリティの高さで1999年にデビューして以来、『ユニクロ』が誇る定番人気商品として愛され続けているジーンズは、【UJ】としてシリーズ販売されていた時代がありました。“UJ”と記載された赤いタグや、ポケット裏にあしらわれた大きなロゴプリントが目印です。

アウトドア柄のフリース

9月8日(月)から一律¥790で販売予定のフリース各種。古着らしい着込んだ風あいが魅力

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『ユニクロ』を今のステータスにまで押し上げた起爆剤的な商品といえるフリースジャケット。2025年秋冬、なんと一着¥790という驚愕プライスで登場します。狙い目はちょっとレトロな柄の古着フリース。フリースが初登場した1998年から2010年代半ばくらいまでの商品には、アウトドアウェアのムードを色濃く宿したデザインのものがあり、シンプルでスタイリッシュなデザインの現行品とはまた異なる魅力を持つ貴重な存在なのだそうです。

ウールマークが搭載されたニットアイテム

高品質・低価格で知られる『ユニクロ』のニットカーディガン。「UNIQLO 古着プロジェクト」なら¥1290で入手可能

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2025年秋から店頭に並ぶ予定の古着ニットには、ザ・ウールマーク・カンパニーによる認証ウールマークがついた商品も! 特に、1年以内に刈り取られた新鮮な羊毛のみを100%使用したウール(再生ウール混毛なし)を示す“PURE NEW WOOL(ピュアニューウール)”タグが搭載されたニットは、現行品ではなかなかお目にかかれない希少なもの。なお、ニット製品は通常ドライクリーニング推奨ですが、「UNIQLO 古着プロジェクト」のリユースニット製品は、ニットイノベーションセンターと協働で開発した独自のレシピによる水洗いを経て店頭に並んでいるのでご安心を。

【ユニクロ ユー(Uniqlo U)】の歴代アーカイブ

「UNIQLO 古着プロジェクト」の半袖Tシャツは¥790均一。さまざまなカラー・サイズ・シルエットのものが豊富にそろうので、気に入ったものはまとめ買いしても◎

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2016年に『ユニクロ』アーティスティック・ディレクターに就任したクリストフ・ルメール氏が手がける【ユニクロ ユー(Uniqlo U)】のアーカイブアイテムは、流行にとらわれず長く着られるベーシックなデザインや、上質な素材が用いられたウェアが多いのでおすすめです。特に、2016年〜18年まで使用されていた12個の“U”がスクエアに並ぶ旧ロゴがついた商品は、“オールドユニクロ”同様、希少価値がどんどん上がりそうなので要注目!

自分だけのおしゃれコーデを楽しむための「RE. UNIQLO STUDIO」

「RE.UNIQLO」の古着をトライアル販売中の店舗には、リメイクやリペアサービスなどを行う「RE.UNIQLO STUDIO(リユニクロ スタジオ)」が併設されています。

「RE.UNIQLO STUDIO」では、刺しゅうサービスが¥700〜、穴あき修理・ほつれや服ずれなどの補修・ボタンつけなどの簡単なお直しが¥500〜で受けられる

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「UNIQLO 古着プロジェクト」の古着はもちろん、過去に購入したものや当日店舗で購入したものなど、『ユニクロ』の商品であればなんでもOK! イラストや文字など約100種類ある刺しゅうや、日本の伝統的な"刺し子”から好きなようにカスタムし、世界でたった一着のオリジナルワードローブに仕上げることが可能です。ぜひ試してみてくださいね。

「UNIQLO 古着プロジェクト」で商品を買う時の注意点

「UNIQLO 古着プロジェクト」の商品は公式ネットストアでの取り扱いはなく、2025年9月現在、前述の3店舗(世田谷千歳台店・天神店・前橋南インター店)のみで購入可能。また、すべて一点モノのため、まったく同じ商品はありません。返品や交換はできないので、必ず試着をし、サイズ感や着心地をよく吟味してから購入しましょう。

ちなみに、古着購入の際に最も留意すべきなのがほつれ・破れ・色あせ・擦り切れなどのダメージの程度ですが、「UNIQLO 古着プロジェクト」の商品は検品をクリアし、きれいに洗濯されて各店頭に並んでいるので心配無用。家計にも環境にも優しい「UNIQLO 古着プロジェクト」の古着をぜひ毎日コーディネートに取り入れて楽しんでみてくださいね。

取材協力/ユニクロ 世田谷千歳台店 取材・文/Senior Writer:OKISHIMAGAZINE