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スーパーで働く知人から聞いたエピソードです。サービスカウンターに近づいてきた1人の女の子。子どもながらに「入っているはずの当たりが入ってなかった」と訴えられ、驚いてしまった出来事を紹介します。

しょんぼり顔の女の子

スーパーでの仕事中、目の前に立っていたのは、小学校低学年くらいの女の子。少し残念そうな表情で、手にはお菓子の袋らしきものを握りしめています。声をかけられ、そのまま話を聞いてみることにしました。

期待して買ったのに

「買ったお菓子に、当たりが入ってなかったの」どうやら彼女が「当たり付き」だと思って買ったゼリーには、当たりが入っていなかったようです。

「残念だったねえ。そういうこともあるよ」と慰めると、女の子は食い気味に反論してきました。「ちがうの! 1つは当たりって袋に書いてあるのに、入ってなかったの……!」

見当たらない「当たり」の文字

私は彼女の持っているお菓子を確認しました。個包装タイプのゼリーが詰め込まれた大袋で、「当たり付き」の表記は見当たりません。女の子は悲しそうな表情のまま「ここ……」と、袋を指さしながら教えてくれました。

日本語って難しい

指さしたのは袋の裏側。やや小さめの文字で「1個あたり14キロカロリー」と書かれています。そう、彼女は「1個あたり」を、「1つにつき」ではなく「1つは、当たり」と勘違いしていたのでした。

私は言葉をかみ砕きながら、当たりが入っていない理由を説明します。「あたり」に別の意味があることに、彼女は目を丸くしていました。

大人からしたら、かわいい勘違い。でも女の子からすれば、ちょっぴりがっかりな出来事です。私は思いつく限りの言葉で励ましました。「こんなところに気づくなんてすごいね! また見つけたら教えてくれる?」とお願いすると、少し照れたように笑いながらスーパーを去っていきました。

やわらかい頭を見習いたい

勘違いを笑うより、女の子の発想力に拍手を送りたくなった出来事でした。大人になると、当たり前に読み流してしまう言葉にも、こんな発見が隠れているのかもしれません。

【体験者:40代・パート、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:S.Takechi
調剤薬局に10年以上勤務。また小売業での接客職も経験。それらを通じて、多くの人の喜怒哀楽に触れ、そのコラム執筆からライター活動をスタート。現在は、様々な市井の人にインタビューし、情報を収集。リアルな実体験をもとにしたコラムを執筆中。

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