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地域の行事や活動を支える制度は、多くの人の協力や信頼の上に成り立っています。そのおかげで助かることも多いですが、時には思いがけない使われ方をされてしまうこともあるようです。今回は筆者の友人が体験した、驚きと戸惑いのエピソードを紹介します。

地域の便利な施設

私の地元に、新しく交流施設ができました。

施設は会議や行事、イベントなどに使うことができ、地元の団体が利用する場合は、申請により利用料や備品が無料になります。そのため、子ども会やスポ少の行事で、私も何度もお世話になってきました。

一本の電話から

ある日の午後、仕事をしていた私のスマホに着信がありました。画面にはその施設で働く知人の名前。珍しいなと少し不思議に思いながら電話に出ると、開口一番こう言われたのです。

「佐々木さん(私)の息子さんって、サッカーのスポ少に入ってるよね? 今日、“スポ少サッカーのお楽しみ会”って名目で予約が入ってるけど、佐々木さんも参加してる?」

胸がどきりとしました。そんな話はまったく聞いていなかったのです。いったん電話を切り、午前中の息子の練習に付き添っていた夫に連絡。けれど、夫も息子も「そんな予定、聞いていない」と口をそろえます。

疑惑が確信に変わる瞬間

折り返し知人に電話をかけて「お楽しみ会の話は聞いてないみたい」と伝えると、知人は受話器越しに少し声を潜めて、こう言いました。

「実はさ、スポ少名義だから無料にしたんだけど、貸し出したスクリーンでゲームばかりしてるんだよ。なんか変じゃない?」

一瞬、背中が冷たくなるような感覚。借りたのは6年生の子の保護者とのことで、知人は「念のためコーチに確認してみる」と電話を切りました。待つ時間が妙に長く感じられ、胸の中に嫌な予感がじわじわ広がっていきました。

浮かび上がった事実

しばらくして再び電話が鳴り、「コーチもまったく知らなかったって。どうも、保護者が勝手に団体名を使ってたみたい」と告げられました。スポ少とは無関係な集まりだったと分かり、施設側は利用料を請求することに。私の胸にはモヤモヤに加えて、制度を悪用した行為への怒りが込み上げました。

守られるべきルール

便利な制度も、正しく使うからこそ維持されるもの。ひとりの軽率な行動が、団体全体の信用を損なったり、制度自体を失わせたりすることもあるのです。「バレなければいい」ではなく、「胸を張って使えるかどうか」で判断すべきだと、心から感じた出来事でした。

【体験者:30代・女性パート、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。

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